日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

発想はシナリオ風に

かつて、シナリオの勉強をしていたことがある。1年で50本。課題の作品を書いた。教室の仲間たちと、8ミリ映画でも作ろうかと盛り上がり、とても楽しかった。しかし、その頃から仕事が忙しくなり、時間帯が合わなくなってやめた。

 

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そこで教わったことは今でも忘れない。プロットや箱書き。ドラマ構成の「起承転結」では、「承」の部分が一番むずかしくて大事だということ。たしかに、ファーストシーンやクライマックス、そして結末には、カッコいいシーンをイメージしやすいが、「承」はかんたんに浮かばない。

そして「起承承承承承転結」というように、「承」はとても長くて、「転結」をカッコよく引き立たせるための、縁の下の力持ちでなければならない。

 

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「承」が上手に描ける作家は名人である、と言われた。たしかに、映画、ドラマのみならず、音楽などの名作では、サビのところまで持ち上げる(「承」のフレーズの)すばらしさがよくわかる。

また、シナリオとして習ったことが、仕事の実務にも大いに役立った。めんどうな報告書やプレゼン等の原稿。はたまた、宴会の出し物のシナリオもよく書いた。そして、シナリオ的な人間観察も仕事に活きた。

 

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営業の仕事では、いろいろなタイプの人に会うことが多い。それぞれの方の性格は知っているにこしたことがない。普通の状態で会えるのならいいが、クレーム対応も多くこなしている。そういうときは、相手の方のリアクションに神経が集中する。シナリオで人を描くには、リアクションを使うことが多い。まずお詫びの気持ちを伝えるが、そのときのリアクションがどう出るか。

私としては、怒ってもらった方が助かるのである。一番困るのは、冷静にこちらの話をだまって聞かれる方である。中にはこういうタイプでクレーマーの人もいた。

あと、作品を書くときには「独断と偏見を大いに持つべし」とも言われた。その「独断と偏見」に説得力を持たせることができたら、すばらしいテーマになるとのこと。いまだに実行できていないが、今も忘れられない言葉である。