日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

気の早い風景

なにかの作業をしていて、急に別のことが頭の中に浮かぶことがよくある。最近では「湖」が現れた。湖からの連想として、(クラシックで)白鳥の湖がある。古い歌謡曲では、虹色の湖、霧の摩周湖、湖畔の宿、湖愁とか。エメラルドの伝説も湖が舞台だったっけ。はたして最近の音楽には湖が登場するのだろうか・・。 こんな感じで考え事の連鎖がどんどん始まるが、発端は、どこかの湖の画像が頭の中へ真っ先に浮かんだ。今年もいくつかの湖へ訪れているが、頭の中の湖とは一致しない。その湖がどこなのか判明するのに数日を要した。

 

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神奈川県秦野市と中井町にまたがる震生湖は、1923年9月1日の関東大震災によってできた湖である。昨年12月の初めに一度訪れただけであるが、この湖が忘れられなくなっていたのであろう。紅葉も終わりかけの時期であったが、湖そのものの姿に惹かれた。

 

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地震動によって付近の丘陵が200mにわたって崩落し、市木沢最上部をせき止めたことから、その川筋と窪地が湖となったとのこと。あの大震災がなければ、この湖は存在していなかったのである。

 

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湖畔には、物理学者・寺田寅彦さんが詠んだ「山さけて成しける池や水すまし」の句碑が建っている。昨年ここに来たときは、近くの森林公園へ訪れたついでに寄ったかたちだったので、ブログにはこの湖の写真は1枚しかアップしていない。それ以外はすべてお蔵入りであった。今の季節には不似合いな風景であるが、もし今年も紅葉の時期に訪れることができたら、これらの写真はまったく使われないまま、ということになりかねないので、あえてエントリしてみた。