日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

アナタハン事件

アナタハンという言葉には、なんらかの記憶があるがまったく知らなかった事件である。
アナタハン島は、サイパン島の北約117kmに位置する全長約9km、幅3.7km、面積約32平方km程度の小さな太平洋の孤島だそうである。

その孤島で1945年から1950年にかけて、多くの謎が残る大量死亡事件、別名「アナタハンの女王事件」なるものが発生したとのこと。

戦時中その孤島に漂流してたどり着いた32人の男達と1人の女性。
しばらくは全員で共同生活を送っていたが、そのうち全員が1人の女性を巡って争うようになり、銃の存在が権力の象徴となり、行方不明となる男や殺される男が次々に発生し、サバイバルの様相を見せた。という展開である。

結末は1950年6月、身の危険を感じた女性が脱出し米国船に救出され、1年後には生き残った男性19人も救出された。

戦後、孤島での女性を巡る一連の怪事件が大々的に報道され「アナタハンブーム」となり、映画化もされたそうで、終戦の混乱と米国信託統治の関係から権力空白地帯で発生した事件のため、現在でも死亡の原因について不明な点があるとのこと。

この事件をモチーフとした映画「東京島」が昨年公開されて、そのDVDを観てこの事件のことを知った。原作の小説は読んでいないのでなんともいえないが、映画では実話のイメージとは方向性が噛み合わないように感じた。事実の濃度には追いつけない、とでもいうのが正しいのか。

実話の女性の写真を見るかぎりでは、お世辞にも美人とはいえず性的アピールもとぼしく感じるが、食物などに満ち足りている男たちの間で、異性への飢えの状態は計り知れないものがありそうである。

事実は小説や映画よりも奇なり、という思いでこの事件への興味が強くなっている。