日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

テンポの悪いドラマ

今観ている連続テレビドラマで、テンポの悪いドラマが2本ある。
そのどちらも、殺人事件が起きて事件当日及びその数日後の現在と、事件に至るまでの過去とのカットバック手法を使っている。

カットバック手法は本来、作品のテンポをよくするためのものであるが、カットバックをメインに作品の展開を間延びさせている。
いわば、本末転倒で原作の良さを壊しているとしか思えない。

どちらとも原作は小説であるが、小説で使うカットバックと映像でのカットバックとでは間合いが異なるはずである。メディア(表現媒体)のちがいなのであるが、そこの連係をスムーズに導入するのが、シナリオや演出の力のはず。

話は変わるが、今再放送?で韓国ドラマの『ジャイアント』を夢中で観ている。勧善懲悪の復讐劇なのであるが、ドラマ創りのエッセンスがたっぷりと凝縮されているといえる。このドラマは50話予定でのスタートであるが、当初の視聴率がそれほどではなかった。それが回を重ねるごとに数字が急上昇のため、(競い合う他局ドラマの兼ね合いもあり)60話に変更された。

急遽の増話(こんな言葉はないかな?)決定なのに、各1話ごとの中身が薄まるどころか、どんどん濃厚な内容になっていく。
日本のドラマと同じ(CM込みで)1時間枠でも、『ジャイアント』の中身はエピソードのテンコ盛りで確実にストーリーをつなげていく。

たった10話程度の連続ドラマで、間延びをダラダラと観させる日本のドラマとでは雲泥の差なのではあるまいか。
日本のドラマでも『相棒』のように長寿で飽きのこないすばらしい作品もある。韓国ドラマ崇拝だけでは異論が多いかも知れない。

だからこそあえて言いたいのは、すばらしいドラマの裏には、実験的な努力が必ずあるはず。カットバック主体でテンポを悪くさせるドラマには、新しいものへの実験はおろか、過去の大切な手法の理解がまったく感じられない。