日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

本で読む映像

小説やマンガが原作の映画やテレビドラマは、昔から今も多くある。
割合でいけば、オリジナル作品よりも原作ものの方が多いであろう。
原作を読んで、あとから映像を観ることもよくあるが、その逆に映像のあとに本で鑑賞することもある。

私の場合、石坂洋次郎さんの多くの作品がそうであった。映画やテレビがおもしろくて、本を読んでもまた楽しめた。原作と映像になったものとの違いなどを発見するのもおもしろかった。余談であるが、今の時代とマッチしないのかどうか、石坂作品が見られなくなったのは寂しい気もする。かつて、石坂さんと同郷の太宰治さんが著作の中で、当時の流行作家への嫉妬も感じさせるように、後世に残るのは石坂さんではなく自分の作品だ、と書かれていたのを思い出す。

その後、原作と映像作品を同時に楽しんだのは、松本清張さんの作品であろうか。
角川映画が大ブームになったころは、森村誠一さんや横溝正史さんの作品もよく読んだ。
出版会社が映画を製作して、本業の本も売り込んだのだから、今にしても画期的な売り方だったと思う。

その後、映像が先であとから本を読んで感激したものとして、(発表年代は前後するが)『太陽がいっぱい』という作品が忘れられない。アラン・ドロンさんの出世作ともいえる名画であるが、その原作本を読んだらおもしろくてワクワクしながら読破した。その作品の続編の『贋作』もやはり楽しく読ませてもらったのを思い出す。

あと、大人気だった連続テレビドラマの『俺たちの旅』も、シナリオを担当されていた鎌田敏夫さんの本として読んで楽しめた。映像や配役がマッチしている作品だと、本を読んでも頭の中ですぐに受け入れられるからおもしろい。

今、夢中で読んでいる本は、あの『冬のソナタ』である。
テレビドラマを観て、あらすじや展開を熟知していても、読みながらこの先どうなるのだろう、とハラハラしてしまうところがなかなかの快感である。