日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

逆手で利用される身近な機器

 

<OA機 電源切れば 俺の勝ち>。サラリーマン川柳の優秀作である。
最新の機器に手こずる人の奥の手らしい。

昨今は、報道機関の電源スイッチに、手を伸ばそうとする政治家を連想してしまう。
<都議会、リオ五輪視察中止を決定>などの記事では、もはや電源切れずとの“敗北宣言”に思えてくる。

報道に制限をかけたがる政治家もいたようだが、口で勝てないから口封じをすると誤解されても仕方がない。常識を逸脱した八つ当たりは、「自分の負け」だけでなく、民主主義の負けになる。

 

1633

 

モノのインターネットの略である“IoT”。
スマホで操作できるエアコンや、心拍数の管理をネット上でできる腕時計など、ネットに様々な機器がつながる仕組みになろうとする世の中だ。ネットの先にある(あらゆる)モノの電源を切ることも容易ではなさそうだ。

インターネットにつながる世界中の火災報知機や監視カメラなどの“IoT機器”約15万台がウイルスに感染し、サイバー攻撃の“踏み台”となっていることがわかったという。

横浜国立大の情報システムに関する研究室では、昨年4~7月で(同大のネットワークへ)約90万回のサイバー攻撃を確認した。

その通信元の調査結果では、中国、ロシア、トルコなど世界各国の火災報知機やIP電話、ビルの空調制御システムなどで、361種類のIoT機器約15万台だったことが判明。

 

1634

 

これらの機器は(外部の)第三者によるサイバー攻撃が経由する“踏み台”としての役割で、
大量のデータを送りつけるDDoS(ディードス)攻撃や、ウイルスのばらまきに悪用されたそうだ。

侵入検知システムなどのセキュリティー対策の機器さえもが、踏み台にされるケースもあった。昨年5月、日本国内からの攻撃では、監視カメラや家庭用ルーターなど93台のIoT機器が踏み台として使われたという。

(ネットにつながる機器には通常使われないはずの)通信プログラム“Telnet(テルネット)”が、機器の開発段階で組み込まれていることもあるようだ。約30年前に登場したテルネットは現在のサイバー攻撃を想定しておらず、IDやパスワードが初期設定のままというケースがとても多い。

攻撃者の手口では、こうした機器を探してウイルスに感染させたということなのである。
利用者からは、家庭内のIoT機器の感染の有無や脆弱性を確認することはとても難しい。
現在判明しているものは“氷山の一角”なのだという。

テルネットが作動していないかどうかの確認や、利用者が<電源切れば 俺の勝ち>と、かんたんに断ち切れるものなのか、それがハッキリしなければ不安でならないであろう。