日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

悲喜こもごもな「お金の体感重量」とは

 

1億円のお札の束はどれくらいの重さと厚みなのだろう。そういえば、元銀行員の知り合いから<紙袋に1億円入れて持ち歩いた>という話を訊いたことがある。なんでも巨額な現金の移動は紙袋の方が気付かれなくて安心だとか。

名古屋市UFJ銀行の「貨幣資料館」があるそうだ。
そして、古今東西のお札やコインの並ぶ展示室の隅に、"お札の体重身長計"なるものが置かれているとか。

 

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目盛りの単位が「億円」になっていて、1万円札の束は1億円で10キロになるそうである。体重50キロの人は「5億円」と表示される。恥ずかしいので体重は公開しないが、私がそこに乗れば「7億円」と出ることであろう。

1万円札の1枚あたりの重さは約1gで、厚みは(すべてのお札で)約0.1mmといわれる。(お札の)身長計の方で測れば、同様に割り出された額が自動表示されるのだと思う。

実際に手にするお札は、数知れぬ人の汗と涙が加わり、もう少し重たく感じられかもしれない。また、別れを告げる折には、さらにまた重量を増すようでもある。
"体感重量"は人により、事情によっても千差万別。

 

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まだ未体験であるが、"お札の体重身長計"で量るときの気分はなかなか複雑になりそうだ。ここで思い浮かぶのは、フーテンの寅さんの映画の主題歌である。
<目方で男が売れるなら…♪>と。

処世の苦しみ多き生涯を24歳で閉じた樋口一葉さんも、質屋通いをするなど、お金の「重さ」を身にしみて知る人である。5千円札の顔として、野口英世さん(千円札)と世に出られてから10年目を迎える。できることなら、福沢さんなども誘い合わせ、気軽にわが懐を訪れてくれるとありがたい。

 

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内閣では、消費税10%のへの増税を目指しつつ、<携帯電話税、パチンコ税の新設>までも画策していたそうだ。税の名目などどうでもよくて、国民からできるだけ搾り取ることに専念しているのだろうか。発足間もない新内閣の<閣僚ダブル辞任>騒動以降も、カネの問題でゴタゴタ続きである。

この方たちは、“税金”という印籠を掲げるだけで、かんたんに手に入るお金が、目の前にちらつくため、われわれの想像以上に「お金の体感重量」は軽そうだ。

 

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歴史学者のどなたかが、<年数を金額に置き換えてみるとわかりやすい>と言っていた。
膨大な数字なども、身近なお金に換算してみるとわかりやすいだろう。

地球が誕生して46億年。ホモ・サピエンス(=新人)が誕生して20万年。
46億円の地球の中では、人類の関わりが20万円である。人間ひとりの単位では、関わる歴史などホンのわずか。80歳まで生きたとして、46億円の中の80円だけだ。

その80円でそれぞれが何をして残してきたか。
上述の樋口一葉さんは、たったの24円だけしか与えられなかった。
数多くの先駆者たちも100円にも満たない中から、たくさんの遺産を我々に残してくれている。

うまく言えないが、人生における「お金の体感重量」のちがいというものは、案外こういうものなのではないだろうか。