日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

叱らないでつながるやさしさ

 

春夏秋冬の順なのか、一年の計は元旦というより春4月のイメージが強い。春の田植えで実るのは秋。春から秋へのリレーも楽しみだ。

稲穂と水、穴の周囲には歯車。それぞれ農業と水産業、工業のシンボルなのらしい。 5円玉に描かれたデザインである。“ご縁”に掛けてさい銭などで人気だった5円玉は、戦後日本を支える産業としての期待が込められ1949年に作られたという。

増税5%の時代にも5円玉が重宝がられた。今は10%というキリの良さなのか小銭の存在感が薄いらしい。最近、1円玉も流通用に製造されていないとか。

クレジットカードや電子マネーの登場で出番も減ったことだろう。かつてのように貨幣を通じて生活や産業をがどのように模様替えをしたのか、そのデザインで知ることが減っていくような気もする。

 

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文字もある意味でデザインなのか。たとえば「叱る」という字のつくりで、“七”は鋭い刃で切ることを意味するという。口舌の刃で相手に傷をつけること・・とか。

一太刀でたたき切ればお相手の面目をつぶす。多言を駆使して切り刻めば恨みだけが残される。まさに、口は災いの元となる。

漢字だけでなく数字の組み合わせも興味深い。たまに目にする3つの数字<1・29・300>。「ハインリッヒの法則」だという。

1つの重大事故の中には29の軽微な事故があり、300件の異常も隠れる。この29と300を捉えて分析することで、事故を未然に防ぐ「予防安全」につながるのだという。

100年近く前、アメリカの保険会社のハインリッヒさんが提唱した経験則である。

 

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作家・姫野カオルコさんにはすてきなエピソードがある。ノートへ小学生の時から物語を書いていたカオルコさん。国語の授業で抜き打ちテストがあった。

12歳の時だった。カオルコさんは動揺したのか、うっかりと国語のノートではなく物語用のノートに解答を書いてしまったそうな。

試験後すぐに先生は、採点チェックのためにノートを回収して職員室へ持っていってしまった。自分の小説が読まれてしまう。カオルコさんはあせった。それも、物語のジャンルは“恋愛もの”だった。

やがて、戻ってきたノートを見てカオルコさんはもっとおどろいた。先生がその小説に校正を入れてくれていたからである。なんの冷やかしもなく、直しがきちんと入っていた。

きっと一つの作品として見てくれた、ということだろう。そこには“口舌の刃”などまったく介在しない。なんてすてきな先生なのか。