日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

今の景気は良いのか悪いのか

 

最初のバイトは1日900円だった。大卒の初任給が3、4万円の頃だったと思う。横浜駅隣の、平沼橋にある大きな球状のガスタンクの下での肉体労働であった。真夏の暑さで水をがぶ飲みしたのを憶えている。

本来、千円のはずが派遣会社が百円だけ鞘抜いていた。学生どうしの情報で、高給を望むなら陸から船への積み込みの荷役を行う沖仲仕や、ベトナム戦争で戦死した遺体を洗う仕事もあったらしいが、そこまでの勇気はなかった。その後、いくつものアルバイトをしたが、いい体験で楽しかった。

就職、結婚となり生活がかかってくると、楽しんでばかりではいられない。家賃や家のローン、クルマのローンも大きな支出である。子どもたちの幼稚園や学費も必要になる。

丸一日、たっぷりと仕事漬けである。そのあおりでさんざん飲み歩いたが、その酒代も捻出せねばならなかった。

 

 

子どもたちが巣立ち、家のローンも完済。いい歳になってはいるが、若い頃より今がワクワクする。さすがに定職には就けぬが、アルバイト程度の仕事を3つしている。どれも(地元の)市の仕事絡みで、感謝の言葉をかけていただくこともよくある。

フィルムによるアナログ写真の仕事は長かったが、営業だけでなくクレーム対応も多くこなした。貴重な写真のフィルムを傷つけたり紛失したら、お客さんがカンカンに怒るのは当然のことだ。

アナログ写真の終焉後、過酷な仕事もした。コンピュータの前に座りながら、クレームの電話が鳴り止まない。その処理で本来の仕事が追いつかない。早朝から夜中まで事務所に缶詰状態であった。

クルマ通勤の往復では、眠気覚ましに X JAPANやB'zの曲を大音量でかけ、大声で歌った。そんなことを繰り返すと気分がハイになったりもする。疲れ切っているはずなのに不思議であった。ふと思った。案外、過労死ってこういう状況で起きるのではないか、と。

 

 

今、小さな子どもを連れたご家族を見ると、楽しい時期でもあるだろうが「生活を維持するのがたいへんなのでは?」 と、いらぬ心配をしてしまう。バラツキもあるだろうが、求人広告などの賃金を見ると渋い。

企業収益は史上最高に近い水準で、失業率もバブル期並みの低水準。こんな記事を見ても、どこの国の話? という感覚だ。

一昨年あたりには、“いざなぎ景気”を超える戦後2番目の景気拡大、などと浮かれていた。また、経済成長率は低いが、労働力不足でこれ以上成長できないとのご意見もある。

労働力不足となっているのは少子高齢化が原因らしい。とはいえ、宅配などの仕事で高齢者の方をよく見かける。うちで利用している生協の宅配では、半数が(学費のかかる子どもをかかえる)女性たちで、元気にがんばっている。

どうも報じられることと実態にずれがあるような気がしてならない。しかし、これだけはいえるだろう。<自分の給料が上がらないと、景気回復は実感できない>。