日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

話に具体力をもたらせる数字

 

今年の6月は雨が多いようだ。71年前の6月13日に太宰治さんが知人女性と、玉川上水(東京)へ身を投げた。

人間失格』など青春の純真さで心に残る作品を次々と発表。戦前から戦後の混乱期を駆け抜けた38歳の生涯であるが、日本文学史上に深い刻印を残した。

激しい雨で川も激流であったという。遺体が発見されたのは誕生日の19日だった。

太宰さんと同じ年に生まれたのが松本清張さんである。<私に面白い青春があるわけではなかった>と。

学歴もなく職を転々とした若き日々。文壇へのデビューは40歳を過ぎてからだ。社会派の推理小説砂の器』のみならず、古代や近現代史をめぐっても四方八方の活躍をした。

大地主の六男坊と、小さな努力を積み重ねた苦労人。同い歳で異質な2人は、今も読み継がれている。

 

 

社会の深刻な実情を、数字がくっきりと浮かび上がらせることがあるという。統計や数字を駆使する「データ・ジャーナリズム」の手法というのを、昨年のネット記事で知った。

2018年5月、CNNテレビは米国内の学校で繰り返される銃撃事件をめぐり、データを発表。(昨年の)1月から5月の時点で、発生状況は“週に1件以上”の異常なハイペースだった。

その死者数は計31人で同時期での(作戦行動中だった)米兵の死者数が計13人。紛争地帯などで危険と隣り合わせの兵士との比較でわかることは、絶対に安全でなければならない学校で、多くの命が失われているという異常さなのである。

銃規制強化等、トランプ大統領は対策に乗り出すと言いつつ、かけ声ばかりで行動が伴っていないとも報じたらしいが。

 

 

貿易で損をしているから輸入品に高い税金をかける。(他国からの報復で)貿易戦争になっても大勝利してみせる。そうすれば貿易赤字は減少して雇用も安定する。トランプ米大統領の胸の内にある“計画”らしいが、身勝手な米国第一主義の夢想ともいわれる。

ワシントン・ポスト紙も昨年の5月に、就任以降のトランプ氏による公式発言の「ファクトチェック(事実確認)」を続けていると報じた。

「米国史上最大の減税」や「国境の壁の建設が始まった」などの誇張や事実誤認などである。その数は3000回を突破したとのこと。一年後の今では、その記録がどこまで伸びていることやら。

野球ファンが多い米国は3000という数字が節目になるらしい。安打数の大台に到達した大リーガーは「3000本クラブ」と呼ばれ、イチローさんら32人を数えるだけだという。

トランプ氏の問題発言は、就任100日目まで1日平均4.5回だったのが、一年前の統計では6.5回と着実に“打率”は上がっている。次の大台も早いはずだ。

大リーグの4000安打以上を記録した選手は2人しかいないらしい。大統領の言葉の軽さを球界の偉業と比べるのは、やはり偉大な打者たちに申し訳ない話のようである。