日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

含蓄のあるスナック道とは?

 

ゴールデン・ウイークという言葉は、1952年から新聞記事に登場した。5月の第一週に映画会社が話題作を封切り、宣伝を兼ねて銘打ったのが始まりとのこと。そのときは5月だけでなく、他の月でも<今週の邦画は見応えのあるゴールデン・ウイーク>などと売り込んだ。元は、映画が華やかしき時代の言葉である。

毎晩飲み歩いていた時代、ゴールデンウイークは太陽が眩しかった。カラオケの出始めでは、居酒屋のみならずスナックにもよく通った。スナックは独特な空間でもあり、ママやマスターとの距離感が近く、居心地の良さを感じさせる。

その雰囲気を好む常連客は、店のスタッフのように空気感を作るような気分にもなる。スナックライター・五十嵐真由子さんは、それがスナックならではの人情連鎖なのだという。

 

 

スナックでは常連客との一体感と、店側による家庭的なもてなしを受けることもある。会社などで見せない素顔もさらせる場所なのである。昔ながらの店では、かつての企業戦士たちも地元の交流場として利用している。

ママやマスターが長年の常連客と構築してきた店の雰囲気は、一見の客でも入りやすい。常連客の優しいもてなしを受けることもよくある。今は格安料金で楽しめて、カラオケで歌ってもカラオケボックスより安かったりする。

ただし、(スナックに限らず)楽しく飲んで過ごすには、暗黙のマナーが必要になってくる。身勝手な行動をとったりする困った客はどこにでもいる。そのことで店の空気感が変わると、常連客の居心地の良い空間を台なしにしてしまうことになる。

五十嵐さんによると、ママやマスターにとって、一見の客を入店させるかどうかは博打だという。他の客への気遣いがなければ、常連客の口数も少なくなりわずかな時間で雰囲気が凍りつく。

 

 

スナックの醍醐味は、ママとお客との一体感なのだ。カラオケではマイクを独占せずに、他の客の歌も一緒に盛り上げていくからこそ、自分の番に気持ちよく盛り上げてもらえる。

盛り上げられて、リモコンとマイクを離さず“ひとりカラオケ”を展開する人もたまにいる。それも、若い人ではなく年輩の方だったり・・・と。五十嵐さんいわく<カラオケとママ・マスターの独占はNG>らしい。

居酒屋よりも客同士の接点が大きいスナックである。ママやマスターのもと、年齢、性別、職業や役職を超えて皆平等。このあたりは、インターネットの世界に似ている。だからこそ一体感が生まれ、心から楽しむ時間を過ごせる。

プライバシーに関して根ほり葉ほり聞きたがる酔客もおられるが、当然タブーである。スナックでも、人間関係を構築するための基本は同じだ。

お店にも閉店時間がある。あらかじめ“引き際"を心得ておきたいところ。とくに初めての店では、自分を控え目にして盛り上げるのがいいようだ。常連客から受け入れてもらえるよう、粋に飲んで楽しみたいものである。