日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

目借時には野球観戦心地よし

 

春の陽気についうとうとする眠気を目借時(めかりどき)という。この時期の季語で、カエルが人の目を借りにくるから・・・との俗説もあるそうな。私もこの春は仕事の時間が切り替わるため、夕方あたりにうとうとすることがある。

眠りの貸借といえば、“睡眠負債”という言葉が以前に流行った。日々のわずかな睡眠不足が借金のようにたまるという話だった。脳の働きを大幅に低下させるばかりか、がんや認知症のリスクまで高めることもあるとか。

先日は、開幕を迎えたプロ野球をテレビ観戦しながら、うとうとしていた。相撲やプロレスだと目が冴えてくるのだが、プロ野球の間合いが私の睡眠を誘う。

刺、盗、死、殺・・・など、殺伐とした文字が多い野球用語もある。反面、安、生、敬という響きの良いものも少しはあるようだ。“敬遠”とは「敬して遠ざく」と読み、相手を敬いながら、むやみになれなれしくしないこと・・・なのらしい。

 

 

申告敬遠により、敬遠数は劇的に増加したという。2018年、各球団の故意四球の比較数では、9球団が過去5年間で最多を記録している。12球団の総数は285個で、過去5年で最小だった2017年の90個と比較すると、その数は3倍以上にもなる。

2017年から18年で監督が変わった球団は3チームしかなく、大きな戦術の変化があったとは考えにくい。その増加要因は申告敬遠の導入による影響が、大きいのではないだろうか。

あと、判定に異議がある場合、監督がリプレー検証を求める「リクエスト制度」も導入された。昨季は494件(セ251、パ243)が実施され、32.8%にあたる162件で判定が変更された。

9回で終了した試合の平均時間は、前年より5分長い3時間13分。延長も含めた場合も5分長い3時間18分だった。

 

 

豊田泰光さんが、現役時代の昭和36年に初めてハワイに行ったとき、現地では広島出身の日系人に世話になったという。<どこ遊びよるん>。豊田さんが野球選手と知ると、広島弁でポジションを聞いてきた。“遊び”が“プレー”の直訳だとわかり、豊田さんはこれこそ<野球の原点!>と納得した。

そもそも、野球とはどんなスポーツだったか。遊びなのだから、好きなポジションを選べばいい。投げるのも打つのも好きなら、投手と打者の“二刀流”でかまわない。大谷選手は野球の原点に近づいているような気にもさせられる。イチロー選手もそうだった。走・攻・守でのスピード感や躍動感。数々の名場面は何度見ても飽きない。

高校野球で熱くさせられるのは、一敗もできない状況で、テンポある試合の流れ。時間があれば何試合でも見て、うとうとする暇もない。

さて<春眠暁を覚えず>も、あまり寝すぎるのは問題らしい。真っ暗な環境で通常より2時間以上寝過ごす人は、睡眠負債があると思った方がいいという。まどろむ春の快楽にも、おちおち身をまかせていられぬようだ。