日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

寒さで養えるのは集中力か?

 

本日は“大寒”らしい。日付としては今月6日の“小寒”から、来月3日の“節分”までの寒の内のちょうど半ばにあたる。

武術などの鍛錬をめざす“寒稽古”や神仏に詣でる“寒参り”。“寒垢離(かんごり)”は寒中に水をかぶって神仏に祈る修行だという。昔はお金をもらって代行する人もいたらしいが。

商売は厳しいという教えで、<寒垢離屋が商売は冷たい>との古いことわざもあるようだ。長唄や三味線の稽古では寒復習というのがあり“かんざらい”と読むそうな。寒中に声をからし、指を凍えさせての練習が上達の常道なのである。

寒中の試練が厳しいほど豊かな実りがもたらされるという。寒さの中では集中力も養えるような気がする。そういえば、大学入試センター試験もまさにこの時期である。

 

 

寒い時期にヒントが浮かんだかどうかはわからない。目に映った光景を撮影できるカメラ付きの双眼鏡やレンズ内蔵でカメラにもなる小型ラジオなど、半世紀前には日本にアイデア商品が登場した。

しかし、複数の機能を組み合わせた製品は、それぞれの機能が十分でないためにヒットしなかった。その後も、ビデオデッキと一体化されたテレビも発売されたがパッとせず、「複合商品は売れない」というジンクスができた。

デジタル技術が全盛になると、その説は覆されることになる。スマートフォン(スマホ)は高画質の写真を撮れ、ラジオやテレビ放送を視聴できて音楽も聴ける。デジタルの力がそれぞれの機能を中途半端にせず、大いに伸ばしているようだ。

 

 

なんでもできる優秀な複合商品も、手放しで喜んでいられないようだ。スマホはそばにあるだけで注意力が散漫になるらしい。北海道大学での実験結果がそのことを裏付けている。

2組に分けた40人の大学生に、パソコンで課題の作業をさせたという。片方は電源を切ったスマホを目の前に置き、別のチームはスマホではなくメモ帳を置いた。

その結果、スマホを置いた組の方が、メモ帳組より作業に1.2倍ほど時間がかかったという。その要因は、画面に触れなくても、視界に入るだけでスマホへ意識が向かってしまったから・・・とのことだ。

寒さ暑さに関わらず、スマホは見えるところになくても、ポケットにあるだけで気になる存在にもなるらしい。