日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

あの業界までも定額サービス


一見古びているようで、新しい。それが古典の力というものか。2007年、夏目漱石さんの自筆原稿を写真版で完全収録した“直筆で読む『坊っちやん』”が刊行された。その自筆原稿では、ペンの動きが生み出す文章のリズムがある。

その7年前に、作家や評論家らで、原稿は手書きかワープロかをめぐり、文芸雑誌で論争した。書家・石川九楊さんが、ワープロで文章を作ると思考が雑になり、表現力が低下すると主張したのがきっかけだ。

人間の脳はパソコンで文章を作る時より、ペンで書く時の方が活発に働く。こちらは、脳科学者・川島隆太さんの弁。

多くの作家たちは、ワープロの方が“疲れず、スピードも速い”と反論した。文字を書くことに頭を働かせる必要がないから、それだけ余裕を持って作品に集中できる、という考えであるらしい。

いずれにしても今は、青空文庫や定額サービスで多くの本が読める時代になっている。

 

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人口減少や車離れなどとよく言われるが、日本の自動車保有台数は伸び続けている。旅先など地方へ出てみればそれがよくわかる。大型店舗が郊外にできて中心部が空洞化しているため、車がないと仕事も買い物も難しくなっている。

一方、都心部では駐車料金やその他の維持費が大きいため、車を持つことへの負担が増えている。

数日前、トヨタ自動車が、毎月一定の料金を払うことで、複数の車を乗り換えながら利用できるサービスを、来年から導入すると発表した。それはサブスクリプション(定額制)と呼ばれるサービスで、欧米の自動車メーカーの間で導入され始めている。

国内の自動車メーカーとしてはトヨタが初めてということになる。“カローラ”、“プリウス”などトヨタの販売店が扱う様々な車を、一定の条件のもとで借りることができるのだ。

高級車“レクサス”も対象になる可能性がある。料金には、保険料や整備費なども含まれる見込み。

 

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トヨタ自動車では、定額制サービスとは別に、来年春から複数の人で自動車を共有するカーシェアリング事業にも本格参入する。

国内のカーシェアの会員は132万人超と、5年前の約5倍に伸びていて、さらなる成長が期待できる分野だ。

新車市場が頭打ちの中、所有にこだわらない層の取り込みを図り、新車販売のみに頼らない収益源の構築を目指す方針なのだ。また開発コストの削減でも、車種を現在の約40車種から30車種程度に絞り込む方針だという。

音楽や映像はスマートフォンの普及で、CDやDVDを買って所有しなくても、気軽に楽しめるようになった。そのことが、各方面へ波及しているように思える。

こうしたサービスの広がりは、“アップル”、“アマゾン”などの大手事業者の相次ぐ参入が後押しをしている。日本人歌手の音楽が多く配信されるようになり、その人気に拍車がかかった。

定額制の音楽配信は、2013年の約30億円から4年後には200億円超に急増するという。