日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

コロッケの至芸から初音ミク

 

続く秋雨でコートを着たかと思うと、翌日は汗ばむ陽気で半袖に戻る。一昨日は、横浜の中華街で食事したあと、真夏の陽気である山下公園を散歩。ものすごい人出であった。

そして夕方にはコロッケさんのコンサートを楽しんだ。昼と夜の部とも超満員で大盛り上がり。オープニングの安室奈美恵さんからラストの北島三郎さんのネタまで、すべての観客が笑い転げていた。

芸能生活38周年のものまねタレント・コロッケさんは、300種類以上のレパートリーを持ち、独特なアレンジを加えたものまねが印象的だ。中でも斬新なのが“五木ロボット”なのである。迫力音での生パフォーマンスを観ることができて大感激である。

五木ひろしさんのものまねは以前からしていたが、ご本人に認めていただくまでに25年かかったという。なぜ認めてもらえたのかというと、ロボットダンスにしたことだった。

 

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五木さんのものまねからロボットダンスへと進化させることで、新しいエンターテインメントが確立された。そのことの評価で五木さんは認めてくれたのだ。

私だけであろうが、コロッケさんの“五木ロボット”を観るたびに、あるキャラクターを連想してしまう。歌声合成ソフト“ボーカロイド”の代表的存在で、世界的な人気を誇る「初音ミク」である。

その誕生以来、プロアマ問わず多くの作り手による創作の連鎖を生み、芸術や伝統芸能の世界にも進出している。初音ミクはあくまで楽器の一つであり、原点はコンピューター音楽だという。

開発したクリプトン・フューチャー・メディアは1995年創業で、効果音や楽器の音色など音の素材を音楽の作り手に提供している。2003年にヤマハが開発したボーカロイドで、人間の“歌声”も楽器のように鳴らすことが可能となった。

 

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2007年、初音ミクの発売当時に、ネット上で動画投稿が流行し始めていた。素材として使えるように、クリプトン社はミクのイラスト3枚を公開した。すると、ミクをアレンジしたイラストや楽曲、動画作品が瞬く間に登場したのだ。

3か月後、同社は投稿サイト「ピアプロ」を開設して、クリエイターたちが一定の枠組みの中で、著作権に縛られることなく共同制作する仕組みを整えた。

ネット文化は盛り上がり、楽曲の作り手のボーカロイド・プロデューサーや、巧みなイラストを描く“絵師”たちが次々に現れ、創作の連鎖が生まれた。

ミク使用の楽曲を収録したCDはオリコンチャートの上位を占めた。中でも『千本桜』はカラオケの定番曲となり、NHK紅白歌合戦では小林幸子さんが歌った。また、和楽器バンドのカバーも世界中から人気を得た。

初音ミクは(人形浄瑠璃など)生身ではないキャラクターに、命を吹き込む日本の伝統の「進化形」ともいえる。かたや、コロッケさんは怪獣やロボットのものまねもやってしまう。只者ではないところが、なぜか初音ミクとかぶるのである。