日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

現金を隠して金を使わせる法

 

“値上げはぜんぜん考えぬ”で始まる。フォーク歌手・高田渡さんの曲『値上げ』である。今、ユーチューブで懐かしく聴いていた。“当分値上げはありえない 極力値上げはおさえたい”。お得意の高田節で、言葉尻が徐々に変わり始める。

高度成長期にて、公共料金の値上げを見事に皮肉る。歌の締めはこうだ。“値上げもやむを得ぬ 値上げにふみきろう”。

悩んだふりをして、結局は値上げするお偉いさんへの批判だろうが、この時代はまだ悠長であった。今の政府は今から<来年こそ消費税を上げるから覚悟しておけ>くらいな脅し口調である。

働く人はもらえる予定の賃金で買い物をし、請求は雇用者へ行き、給与から天引きされる。昨秋、福岡市が“前借り特区”を検討して話題になった。

<若者にニーズがある>と市は見ているようだ。労働の収入が翌月払いになる現金社会を変えたい、との思いだ。

 

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毎日働いた分の賃金がスマホのアプリに表示されて、給料日前でも買い物や食事に使えるようにする規制緩和策を福岡市が提案し、国と協議を続けているとのこと。

福岡市が提案した規制緩和案は、すでに労働を提供しているのに“前借り”というのはおかしい。労働者にとって不利な“翌月払い”という形が当たり前となっている現状に、切り込む狙いらしい。

具体的には、働いた分の賃金(税や社会保険料などを除いた手取り額)が、即日にスマホのアプリへ表示され貯まっていく。

労働者はアプリに表示された“残高”の範囲内で、スマホ決済にて買い物や飲食店での食事ができる。雇用者は労働者が使った額を店舗に支払い、残った金額(手取り額)を給料日に支給する。

現行法では賃金の電子マネーによる賃金支払いを認めていないため、規制緩和を提案・・・とのことである。

 

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数日前の記事では、大手銀行が現金を使わない「キャッシュレス決済」サービスの開発を急いでいる、とあった。

11月から、りそなグループはクレジットカードや電子マネー、QRコードの支払いなどに対応した読み取り端末を無償で貸し出す方針である。

電子マネースマホ決済では、IT(情報技術)や小売りなど異業種に先を越されているため、巻き返しを図りたいのであろう。

スーパー、コンビニや鉄道会社のほか、無料通信アプリ大手“LINE”など新興企業が、電子マネースマホの決済アプリを次々と開発している。ネット通販大手の米アマゾン・ドット・コムも8月末、日本でスマホ決済サービスを始めた。

“非金融業”の台頭が目立つ日本のキャッシュレス決済サービスで、出遅れた大手銀行は店舗や決済事業者向けの決済インフラなども手がけ、差別化を図りたいとのことだ。

ずっと前からキャッシュレス化を実施した私も、今の現金離れの動きがちぐはぐで、なにか裏があるような気がしてならない。どこかでだれかが利益を得るようなことがなければいいが・・・。