日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

老人年齢には認識の誤差あり


東京・国鉄蒲田駅の操車場で身元不明の他殺体が見つかった。殺害されたのは誰か。名作『砂の器』(松本清張さん)のオープニングシーンだ。

この作品は、1960年5月から1961年4月にかけて「読売新聞」夕刊の連載小説として人気を博した。昭和でいえば30年代半ばである。

被害者はやがて、51歳の元巡査と判明した。そして、<すでに50を過ぎた老人>と書かれていた。

岡本綺堂さんが描く江戸時代の捕物帳の主人公“三河町の半七”は46歳で十手を返上し、隠居した。綺堂さんは江戸の世を知る人のなかで育った人なので、真実味がある。

 

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源氏物語(平安時代)には、<今年ぞ、(光源氏が)四十になり給(たま)ひければ、御賀の事・・・>とある。“賀の祝い”とは長寿の祝いを指し、40歳から10年ごとに祝い、四十の賀を「初老」というようだ。

昔むかし・・・の竹取物語には、かぐや姫が月に帰る場面で<翁(おきな)、今年五十ばかり>とのフレーズがある。

地上で姫は20年を過ごしたので、光る竹に姫を見つけた“たけとりの翁”は30歳ぐらいだったはずだ。

恒例の平均寿命が先日発表された。平成29年の日本人の平均寿命は男性が81.09歳(前年80.98歳)、女性が87.26歳(同87.14歳)で、ともに過去最高を更新したという。過去最高の更新は男性が6年連続、女性が5年連続とのこと。

主な国・地域の平均寿命では、男女とも1位が香港。日本の男性は前年2位から順位を下げ3位で、女性は2位を維持している。

 

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厚労省では毎年、各年齢の人が平均何年生きられるかを表す「平均余命」の見込みを計算している。平成29年生まれの日本人では、75歳まで生きる人の割合は男性75.3%、女性88.1%。90歳まで生きる人の割合は男性25.8%、女性50.2%で、いずれも過去最高なのだという。

平均寿命の算出は、年齢別の推計人口と死亡率のデータを使い、各年齢ごとの死亡率を割り出す。そして、そのデータを基にして平均的に何歳までに寿命を迎えるかを出す。

平均寿命とは0歳の平均余命のことであり、平均余命は年齢によって異なるという。ちなみに、2017年に80歳まで生きた場合の平均余命はおよそ10年らしい。

なんだか計算がむずかしそうだが、余命算出に時間を費やしても、余命の時間がもったいない。楽しい時間を見つける方が無難なようである。