日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

働き過ぎをやめられない人達

 

「魚が売れたからって魚屋が、ほかの魚屋を集めてお祝いをしますか?」
直木賞をはじめ、あらゆる文学賞を固辞した山本周五郎さんの言葉だ。

『樅ノ木は残った』を新聞に連載していた頃、読者が周五郎さんに手紙を送った。
<私は貧乏書生で新聞を定期購読できません。毎朝、新聞社の支局前に張り出される紙面で立ち読みしています>。

「恵まれた境遇にいる読者も大切だけれど、僕には彼のような読者のほうが、もっと大事に思えるんだ」。周五郎さんは文芸評論家・木村久邇典(くにのり)さんに語った。周五郎さんには、不遇の人に読まれることが、受賞にまさる誇りだった。

青べか物語』で、主人公の“私"が劇作家ストリンドベリの一節をつぶやく。<苦しみつつ、なおはたらけ、安住を求めるな、この世は巡礼である>。この話でなぜかサラリーマンの心境を想い浮かべてしまった。

 

2033

 

パソコンで文章を入力した言葉が意外な1行となる誤変換がある。

<それは会社の方針とのことで、正しいようです>と入力したつもりが、<それは会社の方針とのことで、但し異様です>と。

もうひとつ誤変換から、<常識力検定を導入し…>と入力したはずが、画面には<上司気力検定を導入し…>。

7勝7敗で千秋楽を迎えた力士はなぜか勝つことが多い。長い相撲ファンならそう感じる人は多いだろう。

かつて、米国の経済学者スティーヴン・レヴィットさんらが、そのことを数字で示した。2000年までの約10年間にわたる3万2千の取組を調査結果、勝ち越しか負け越しか(瀬戸際の)力士が8勝6敗の相手と対戦した場合、約80%は前者が勝っていた。

星の貸し借りがあるのとの推測もあるが、大事な一番で必死になった結果かも知れない。今の力士はあまりにもケガが多い。ガチンコ勝負の結果なのだろう。過酷な今のサラリーマンにとっても瀬戸際の勝ち越しを続けることが・・・やはり大事だろう。

 

2034

 

毎年恒例のサラリーマン川柳が大好きである。今年でもう31回目になるらしい。<休暇とれ5時には帰れ仕事せよ>。働き過ぎをやめられない会社員たちの嘆きで、1993年の作になる。

昨年発表された入選作では、<ノー残業居なくなるのは上司だけ>、<残業はするなこれだけやっておけ>、<ノー残業お持ち帰りでフル残業>などがあった。

本年の作品では、<AIよ 俺の上司の 指示わかる?>、<「言っただろ!」 聞いてないけど 「すみません」>、<相談は 上司先輩 よりネット>、<週始め やる気を消し去る メール数>、<AIが 俺の引退 早めそう>、<都合よく 「若手」「中堅」 使われて>、<出したパス 誰も取らない 会議室>、<業績は いいと聞くのに 感じない>、<効率化 提案するたび 人が減る>、<改善を 提案すると 業務増え>・・・などなど。

矛盾だらけの世の中で、文才溢れるサラリーマンがなんと多いのだろうか。頼もしくもあり、感謝する。<(_ _)>"ハハーッ