日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

アテにできない「三方良し」

 

鳩にやる餌を買おうとする子どもの2ペンスを、銀行員の父親は預金させようとする。
しかたなく銀行に来た子どもは、どうしても未練が残る。

“返して、返さない”と、(2ペンスで)もめているのを見た客は、<2ペンスも支払えない銀行か>と不安になる。そして、預金の解約を求める人が窓口へと押し寄せる大騒動になった。映画『メリー・ポピンズ』のなつかしいワンシーンである。

1973年、経営に問題のない(愛知県の)信用金庫に預金者が殺到したそうだ。
<1日で8億円の預金が引き出されている>。
電車内で女学生の口にした、なにげない冗談が事件の発端となったらしい。

2ペンスの騒動を“誇張した作り事”とは笑えない。

 

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家庭用金庫が爆売れだという。

マイナス金利政策の影響で、<銀行預金の金利もマイナスになってしまうのでは>との不安が広がり、“たんす預金”用の金庫を求める人が増えているのだ。

店内では“マイナス金利対策の影響で注目されている”ことをアピールするポップを掲げ、金庫の売上高が例年の2~3倍にもなるという。

それに伴い、“たんす預金”を狙う「よからぬ輩(やから)」が増えているそうなので、金庫があれば安心とはいかないかもしれぬ。

銀行離れは“たんす預金”に留まらず、(年利換算でお得な)百貨店「友の会」、「旅行積み立て」などの資金活用へと移行している。

実際、「銀行に預けてもお金が増えない」という傾向は、より顕著になっている。
大手3行(三菱東京UFJ、みずほ、三井住友)は、年0.02%から年0.001%に普通預金金利を引き下げた。

 

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百貨店「友の会」の積み立ては、(毎月)3千円~5万円を1年間積み立てると、13カ月分の金券が受け取れたりする。年利換算で8%以上に相当することがあるようだ。

某百貨店では、全国18店舗での新規入会件数が、前年同期に比べ67%増で、1日だけで700口以上の申し込みがある日もあったとか。過去10年で一番の伸びであり、数万円の高額コースを積み立てる顧客も増えているという。

旅行代理店の「旅行積み立て」も好調のようだ。インターネットでの申し込みが前年同期に比べ4倍弱になったところもある。一定額を積み立てて満期にサービス額分を含めた旅行券を受け取れるプラン、または積立期間や額を自由に決められるプランなどがあるとのこと。

近江商人の心得といわれる“三方良し”。
三方とは、売り手、買い手、世の中のことである。買い手が喜び、売り手が儲かり、
世のためになる商品を売る。

 

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客の喜ばない品は売らない。どの業種にもあてはまる経営哲学といえよう。
それでも、あてはまらない業種もあるようだ。

それはメディアなのだという。

新聞の紙面で消費税(売上税)の導入を唱えたとき、買い手の読者は喜ばなかっただろう。儲かるはずもない話である。それでも、高齢化社会の到来に備えるにはこれしかないと信じ、歓迎されないのを承知のうえで世に問いかけたという。

世の中という“一方”のためには、買い手の不興も売り手の損得勘定も顧みない。
新聞だけでなく、テレビ、ラジオなどの報道機関として、曲げるに曲げられぬ“気骨”をもっているという。

消費税8%になり、買い物をするたびの“損した感”が強い。10%への増税待機で外税価格表示の店が多いからだ。支払いの際に見る税額は、気持ちのいいものではない。

与党は政策上の都合や選挙対策で、“増税見送り?”みたいな報道も目につくようになっている。財政困難をさんざん訴えておいて、かんたんに変えられるニュアンスの“気骨のなさ”。

それよりも税金の無駄遣いが気になってしかたがない。個々の議員さんをテレビで見ても、なぜこういう人たちへ税金から高給が支払われているのか。オリンピックもしかり、そういう人間が平気で税金の無駄遣いをしているのだから“損した感”がハンパではない。