日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

自動・ネット・エコで競争する車

 

<ネクスト・ワン(次の作品さ)>。最高傑作は何かと聞かれ、こう答えた。

チャップリンの名言だといわれる。

今、車の業界はネクスト・ワンに向けた過激なレースが行われている。
無人運転の技術も進んでいるようだ。テレビのCMでは、駐車場での自動車庫入れや自動運転の試運転映像もある。

トヨタ自動車は、米自動車大手フォード・モーターと車載情報端末を共同開発することで合意と発表した。米国で発売する新型車に、標準で搭載する車種を増やし、日本などにも広げる。

車とスマートフォンを接続する基本ソフトを活用し端末を商品化する。端末を通じてスマホの操作が可能になるという。米アップルや米グーグルも開発を進めており、どのソフトが普及するかが注目されている。

トヨタは、他の自動車メーカーやアプリの開発会社に対し、共同開発への参加を呼びかけ、“つながるクルマ”を大幅拡大する意向である。

 

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“つながるクルマ”は車載通信機を通して、トヨタのサーバーから道路状況の変化に応じた地図を更新したり、事故時には場所や衝突の状況を自動で通報することができる。

トヨタは顧客の運転状況などの(膨大な量の)ビッグデータを収集し、製品開発や新たなサービスの提供に生かすという。カーナビなどの車載機器とスマートフォンとの連携にも力を入れ、使い勝手を良くするほか、国や地域で仕様が異なる車載通信機も全世界で共通化し、順次切り替える。

今から1年前にトヨタは、世界に先がけて売り出した燃料電池車(FCV)の特許約5680件を無償で開放している。話題の燃料電池車「MIRAI(ミライ)」は、水素と酸素を反応させて、排ガスを出さずに走る。苦心の技術をライバル社に提供するのは、参入を促して市場を広げるためだ。

燃料電池車を普及させるには、水素ステーションなどの整備が必要で、1社だけの努力には限界がある。

 

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<もともと地上には道はない。歩く人が多くなれば、それが道になるのだ>。
中国・魯迅(ろじん)の言葉の一節である。
“究極のエコカー”で走る人が多くなれば、それが道になろう。しかし、トヨタの特許開放もむなしく、覇権争いは一段と激しくなりそうなのである。

ホンダと米ゼネラル・モーターズ(GM)は現在、燃料電池車(FCV)に限り共同開発しているが、環境対応車(エコカー)の開発で包括提携する方向で最終調整に入ったという。
対象を次世代エコカーの主流になるとされるプラグインハイブリッド車(PHV)にも広げ、部品も共同で調達することにより、単独購入より販売価格を抑えられるとみている。

PHVはエンジンとモーターを搭載し、50キロ・メートル程度をモーターだけで走り、電池が切れそうになるとエンジンに切り替わる。そして、バッテリーは家庭の電源で充電できる。
ハイブリッド車(HV)もエンジンとモーターを併用するが、モーターを使うのは低速時などに限られ、モーターだけで長距離を走ることを想定していない。PHVは電気自動車(EV)に比べて走行距離が長く、HVと比べ二酸化炭素の排出量が少ないとの長所がある。

 

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2017年以降、主要市場の米国で環境規制が厳しくなるため、各社はPHVの開発に力を入れている。電気自動車(EV)やFCVへの“つなぎ”として期待されているのがPHVだ。

日本ではハイブリッド車(HV)がエコカーとして普及しているが、対象の“エコカー”にHVが含まれなくなる。各社がPHVに力を入れるのはそのためなのだという。

昨年秋の東京モーターショーで、ホンダのFCV「クラリティ」はトヨタのFCV「ミライ」に対抗する車として注目を集めたが、開発段階で重視したのはPHVへの応用であった。

FCVとPHVはともにモーターと電池を搭載し、電気で動く。FCVは水素で発電し、PHVは外部充電するという違いはあるものの、駆動を制御するための電子システムや部品で共通化できる部分も多い。ホンダはFCVとPHVを同じ車台で生産できるようにする考えだ。

世界のFCVの生産台数は2025年時点で約1万5000台にとどまり、PHVは(2015年の約18倍にあたる)約330万台に増える見通しがある。
果たして、トヨタおよび各社のネクスト・ワンはどのような車が登場することだろうか。