日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

知っているようで知らないこと

 

今年のプロ野球ドラフト(新人選手選択)会議も一週間前に終わった。このドラフト制が導入されたのは1965年(昭和40年)である。第1回のドラフト会議では翌66年デビューの132人が選ばれた。

初のドラフトで巨人が1位指名した新人は堀内恒夫投手(甲府商)。1年目の1軍デビューから13連勝をマークした。近鉄(当時)で活躍した鈴木啓示投手も、このドラフトを経てのデビューである。

以来、ドラフトは何度か制度を見直しながら半世紀も続き、幾多のドラマを残してきた。
選手からみると、自分の職場を自分で决められず、希望球団と相思相愛であったとしても、くじ引きで引き裂かれたりもする。納得できない思いがあるはずだ。

一時期、大学生と社会人野球の選手で(1球団に付き2名までの)対象選手は、自分の希望するチームを宣言することができる“逆指名制度"や“自由獲得枠制度"を設け、選手の選択肢が緩和されたのであるが、球団の裏金騒動でそれも廃止となった。

ドラフトは英語の“draft"で、もとは<徴兵などの選抜の意>なのだという。たしかに、この解釈でいくと<選手に選択肢を与えない制度>との共通部分がうなずける。

 

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"ナポレオン"(ブランデー)は銘柄だとずっと思っていたが、熟成度合いを示す符号なのだという。また、皇帝ナポレオンが自分の肖像をラベルに使用することを許すほど愛した酒だから・・・などと、由来についての諸説は語られるようだ。

ラベルといえば、1年前のできごとが思い浮かぶ。
小渕優子・元経済産業相政治資金をめぐる問題で発覚したワインである。

赤のボトルには全身を映す写真、白には笑みをたたえた顔写真のラベルが貼られ、地元の男性に贈られたとか。何千人もの支持者を集めた観劇会といい、まさにナポレオンの心境だったのか。

久々に姿をみせた会見では、<スタッフに任せきりにしていた>と自らの関与を否定。
<報告書は、表紙を見たり、パラパラめくったり。信頼できる秘書なので、『ごくろうさま』と返していた>と説明。地元後援会の理解が得られたとして、議員辞職はしない意向なのだとか。

 

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アメリカの作家・レイ・ブラッドベリさんの小説『華氏451度』は、情報統制で読書を禁じた近未来が描かれている。本は印刷も所有も禁止で、隠し持っていると、家もろとも焼かれ逮捕されるのである。

それでも、人々は疑問に感じない。耳に装着する超小型ラジオ、部屋の壁面を覆う巨大テレビから流れる映像と音に熱中し、考えることをやめてしまった。

活字離れやネット依存が取り沙汰されている現在、この小説の世界との違和感があまりないということにおどろく。

 

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文化庁によると、1か月間に1冊も読まない人は47・5%と増加傾向にあるという。
読書量が減った人の2割超が、<携帯電話やスマホなどの情報機器で時間が取られる>を理由に挙げた。3度の飯より本が好きだった自分が、まさにこの統計内にいるのである。

公益社団法人読書推進運動協議会」のサイトに“読書週間の歴史"が掲載されていた。

1947年(昭和22)年、まだ戦火の傷痕が至るところに残っているなか、<読書の力によって、平和な文化国家を作ろう>という決意のもと、出版社・取次会社・書店と公共図書館、そして新聞・放送のマスコミ機関も加わり、その年の11月17日から、第1回『読書週間』が開催された、とある。

 

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そのときの反響はすばらしく、翌年の第2回からは期間も10月27日~11月9日(文化の日を中心にした2週間)と定められ、この運動は全国に拡がった。
『読書週間』は日本の国民的行事として定着し、日本は世界有数の<本を読む国民の国>になったのだという。

電子メディアの発達により、世界の情報伝達の流れは、大きく変容している。
しかし、その使い手が人間であるかぎり、<その本体の人間性を育て、かたちづくるのに、「本」が重要な役割を果たすことはかわりがない>と読書推進運動協議会は力説する。『読書週間』が始まる10月27日は、「文字・活字文化の日」にも制定されている。

今年の『読書週間』は始まったばかりである。その歴史と重みを初めて知った。それだけに、いつもの生活体系とは別に、本を取り入れた時間を楽しむのもよさそうだ。