日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

ワシも族やお前も族は「女房元気で留守がいい!」を唱えるべし

 

"ワシも族"や"お前も族"という名称を知ったのは最近のことであるが、その実態はかなり以前から見かけて気になっていた。

平日休みにカメラをかかえて旅に出るときや、仕事で多くのお客さんを訪問した体験でも、“ワシも族”と“お前も族”に出くわすことが本当に多い。

たまにスーパーで買い物をしても、用のないところでボーッと立っていて、お邪魔虫なのが彼らである。外で待っていればいいものを、奥さんのそばに「へばりついていないと」ダメなのである。

「ワシも(付いて行く)」とか、「お前も(来い)」から生まれた新語なのだと思うが、まったくそのとおり。座布団5枚!!と言いたくなるほど的を得ている。

 

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定年退職に伴う"燃え尽き症候群"というのもあるらしい。働いている間は仕事に追われるあまり、趣味を持つことはおろか、家庭を顧みることも、地域での活動に参加することもなかった。

退職後、いざ何かを始めようと思っても、そのために必要な人間関係もなければノウハウもなく、またそれらを得るために努力しようという意欲やエネルギーもない。

その関連を調べていくと、"濡れ落ち葉族"という名前も発見した。濡れ落ち葉とは、読んで字の如く"濡れた落ち葉"のことである。「払っても払ってもなかなか離れない」様子から定年退職後の夫が、特に趣味もないために、妻が出かけようとすると必ず、どこにでも付いて来る様子を指すようになった。

 

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大阪府出身の医学者・石蔵文信さんは、この分野の研究をなさっている。いくつかの著書のタイトルを抜粋してみよう。『男もつらいよ!男性更年期』(2007)、『できる男は2食主義』(2009)、『女房に捨てられないための中年力』(2009)、『夫源病 こんなアタシに誰がした』(2011)などである。

この中にある"夫源病"というのは、夫の言葉や行動に対する不平や不満がストレスになり、妻の身体に更年期のような症状がでてしまう病気とか。

頼まれもしないのに妻の買い物に付き添い、「そんなもの要らない」とか、「決断が遅い」と愚痴をこぼす。「飯はまだか」「風呂は沸いたか」と、上から目線で自分のペースを押し付け、自分ではやらない。こんな調子で四六時中貼り付かれたら、だれでも病気になろう。

 

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会社というコミュニティーを離れ、それまで何でもいいつけていた部下はもういない。
打ち込める趣味もなく、地域社会とのかかわりも薄いため、気軽に外に出かける機会もない。暇を持て余し、妻の外出にとつきまとう"ワシも族"や、必ず妻を同伴しようとする“お前も族”になってしまうのだ。

妻の女友達との食事にまでついてきて、つまらなさそうにして場を気まずくさせる夫もいる、と訊いたときはあきれ返った。

余談であるが、私のところは無関心すぎて問題なのかもしれないが、若い頃から夫婦互いに外で異性と飲み歩くのなどあたりまえであった。

 

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問題の彼らから話を訊く機会はたまにある。たしかに、長年の職場を離れて趣味も少ないと、なにをしていいのかわからないらしい。奥さんの外出には寛大な人もいる。しかし、ほとんどの方がおっしゃるには、食べるものに困ると言う。中にはつい最近、電子レンジが使えるようになったと自慢げにおっしゃる方も。

わが家は子どもたちも独立して、最近とくに自分の食べるものは自分で作るようになっている。それがとても快適に感じている。

そのことを話すと、彼らのほとんどが宇宙人を見るような顔をする。年配者になればなるほど、自分のことが自分でできないことを、“普通”だと感じておられるようなのだ。
そういう方たちも、まずは自分の食事を自分で作れるようになれば、奥さんが外出することの不安の80%は解消されると思う。しかしそれを言っても、できない言い訳ばかりが並ぶ。

勝手なお世話かもしれないが、せめても「女房元気で留守がいい!」と、笑って言えるくらいに、自立されたらいかがなものか。どうせ暇がたっぷりあるのなら、家事をこなして新しい発見を楽しめるのではないか。

 

                                                                                                                                                   参考:Wikipedia