日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

あぶないふたり

 

私がネットの中で初めて知り合った人。それが師匠である。ネットはデジタルやバーチャルの世界、との意識が強かったが、師匠とのお付き合いは超アナログなのである。それは、『 ♪ 俺らはロムラー ~~』にも書いたが、ML(メーリングリスト)で書き込むハメになった時期であった。

MLもハンドルネームがほとんどであったが、師匠は本名にて、おとなしめの書き込みをしていた。MLでは話し相手が不可欠である。余談であるが、MLはブログでいえば、本文よりもコメントに近いかもしれない。たまに見かけるが、ブログ本文の行数は短いのに、コメントの行数が長くつながって盛り上がるエントリ。そういうのはとてもML的だといえる。

 

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さて、師匠は私より17歳上。私が、勝手に師匠と呼んでいた。私が漫才の相方のように引き込んだのがきっかけであった。師匠と初めて対面したのは、大人数での初オフ会のときであった。ネットでさんざん、言いたいことを言い合ってきたお相手であるが、照れくささもあってか最初は丁寧な挨拶を交わした。

そのオフ会を2次会の途中で抜け出して、東京から新幹線で横浜へ向かった。そして、師匠行きつけの店へ連れて行ってもらい、ハシゴで朝帰りになった。まったくの初対面なのにそういうことができるというのも、ネットの力なのだろうか。

私の見込みどおり? 師匠はタダ者ではなかった。遊び上手の遊び人で多才な方である。オフ会では、女性メンバーをまわりに集めて、師匠!師匠!とお酌されて満面の笑み。ホステスさんがたくさんいるお店では、マシンガントークでの連続口説き。とにかく達人で、こちらも大笑い。あのトークはさんまさんより上かもしれない。

 

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それからも、数多くのオフ会で盛り上がり、個人的にもさんざん飲み歩いた。
師匠は、私といるときはとくに盛り上がってくれて、ふたりで飲む約束のときは午前中から合流して始まる。当然、飲み屋さんはあいていないので、ファミレスや食事処のお店を見つけて飲む。そして何軒も店を変えて、延々と盛り上がるのである。

オフ会のときには夕方から始めるのがふつうである。師匠はそれが物足りず、私に声がかかる。オフ会開始前から準備のためのハシゴ酒。私たちの造語であるが、オフ会前に3軒飲み歩いていたら、マイナス3次会といった。みんなそろったオフ会後に、3次会まで行ったとしたら、合計で6次会をこなしたということになる。

 

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私がMLを立ち上げてから、一昨日で丸15年になった。
発足時、飲み仲間たちが参加して盛り上げてもらえたが、それまでのMLよりは、まだ会員が少なかった。そんな折り、師匠の提案で初オフ会をやることになった。若い新メンバーも交えて行ったが、そのときは男性のみであった。その2次会の席上で、師匠がポツリと言った。

「とみいちゃん、なんか寂しいですねぇ」
「りょ、了解いたしましたです。<(_ _)>ハハーッ」と私

初期のデジカメもその頃のオフ会用に購入した。『歴史的なカメラ』のアレである。これも師匠のリクエストだったのかもしれない。

それから、順調にメンバーも増えてきた。若い女性メンバーたちも加入してくれた。そして、もちろん、だれよりもよろこんだのは師匠。投稿の中で、師匠からのさりげないオフ会の要請が入るようになる。その行間には、早く女性メンバーも誘え、というのがありありとわかる。こういうときには駄々っ子のようになるのが師匠である。いっしょにいるときなどは、哀願するような目になる。私も、師匠のその目を感じながら、投稿で女性メンバーにさりげなく声をかけてみた。そうしたら、すんなりとOKであった。それからの師匠のはしゃぎようはすごかった。

 

 

そして、オフ会本番の当日。場所は町田である。女性メンバーが地元なのでお店も選んでもらっていた。師匠と私は当然のごとく、早くから町田で合流して飲み歩き。

開始時間の前までにマイナス3~4次会をこなしていた。初めて会う女性会員ふたりとの待ち合わせ場所は、駅の改札前。夕方とはいえ、外はまだ明るい。約束時間よりはるか前から酔っ払ったふたりが、千鳥足で改札前に立った。そして、ドロンとした目で、改札を抜ける女の子たちを物色し始めた。それにしても、師匠と私はふしぎな気分であった。以前からの別のMLでは、たくさんの女性メンバーと飲んでいるし、女性のいるお店にもいっしょに通った。それなのに、なんでこんなにときめくのであろう。まるで、中学生の初デートの気分である。

ただ、周りからみれば、あぶなそうな酔っ払いのおやじふたりに見えるであろう。あれこれと酔った頭で考えていたら、ふたりの女性メンバーの方から声をかけてくれた。師匠と私は「初対面なのによくわかったね?」と聞いた。彼女たちは異口同音に「見ればすぐにわかりますよ!」との即答。考えてみれば、師匠と私の投稿のやりとりを見ていれば、とっくに見抜かれていたことなのであろう。