日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

継続されている不透明

今日の朝刊(讀賣新聞)の一面記事にて、「テレビなどで放送される音楽の著作権使用料をめぐり、日本音楽著作権協会JASRAC)の使用料徴収の方式が独占禁止法違反に当たるかどうかが争われた訴訟の判決で、東京高裁は、『JASRACは新規業者の参入を著しく困難にして自由競争を妨げている』と判断した。」とあった。

JASRACは、現存する日本国内の著作権管理事業者としては最も古く、1939年(昭和14年)に設立された大日本音楽著作権協会をその前身とする。

国内外の約288万曲を管理し、国内284の放送事業者と契約。昨年度は292億円を徴収し、市場占有率は95%を超すとのこと。独占状態のやりたい放題と見られてもふしぎはないのかもしれない。早急に、他社の参入はもちろんのこと、不透明な覆いを吹き払うためにも、オープンな組織化が望ましい。

 

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不透明といえば、ずっと前からふしぎに思っている視聴率調査である。調べてみると、アンケートによる調査と機械式調査の2つに分けられるらしい。

アンケートによる調査はNHKが、全国3600人(人口構成比で選ばれた300地点から、それぞれ12名ずつ)を抽出して行われるそうだ。こちらはまだわかるのであるが、もうひとつの機械式調査が不透明に感じてならない。

機械式調査は、株式会社ビデオリサーチ(Video Research)が以下の3つの調査方法で行われるそうだ。

  • 調査方法 1. ピープルメータ(PM)システムによる調査
  • 調査方法 2. オンラインメータシステムによる調査
  • 調査方法 3. 日記式アンケートによる調査

全国27地区 6600世帯が対象で、ランダムに選択して入れ替わるようにローテーションされ、どれもがチャンネルセンサーなるものによって、オンラインメータに無配線でデータを転送するようだ。

ビデオリサーチ社は、設立が1962年(昭和37年)。テレビ番組の視聴率調査、ラジオ番組の聴取率調査をはじめとするメディアリサーチや、マーケティングリサーチを行う日本の会社である。電通が全株式の34.2%を保有しており、同社の持分法適用会社の位置づけにある。

 

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視聴率は、極秘に選別した世帯にお願いして、調査機器を置かせてもらい、その世帯がリアルタイムで見ている番組を調査会社へ送られて集計が出される。

日本では、測定する有力会社がビデオリサーチ社1つのみになった2000年以降、同社の調査結果が世帯視聴率とされている。

松本清張さんの推理小説に『渦(うず)』という作品がある。テレビの視聴率調査現場をモチーフに、構成されたミステリー長編である。視聴率調査の不透明さが描かれていたのを記憶している。また、石原裕次郎さんがご自身の著書にて、視聴率調査の謎について書かれていたこともあった。『西部警察』などの高視聴率番組を輩出していた時期、視聴率の仕組みに疑問を持っていろいろと調べたらしい。あらゆる方面をあたったが、機械を設置した人は見つからなかった、とのこと。私も興味があって、多くの人に聞いたことがあったが、未だにその機械を設置したという方にはめぐり会えていない。

 

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さて、私はテレビ大好き人間である。観ている番組のほとんどは録画したものばかりである。その本数は多いため、ながら族(死語?)で観ることが多い。気になる番組は集中して観たいのであるが、どうもじっとしていられない。そのために同じ番組を3回以上も観たりする。観ている途中で眠ってしまい、また観たりもしている。これだけ何回も観ているのに、お気に入りの番組の視聴率にまったく貢献できていない、というのが情けない、

今のデジタル放送で、視聴率調査がだれにでもわかるオープンな形式にはできないものであろうか。ビデオリサーチ社を除外して、もっと具体的にわかってもいいはずである。私のように、録画による視聴もだいぶ多くなっているはず。そういえば、平日たまに観る昼の再放送。フジテレビでは、指定番組の視聴時間に合わせてポイントが自動的に増え、かんたんなキーワードから、インターネット経由やハガキでプレゼントの応募ができたりする。

そういうことができるのなら、(録画も含めて)観ているかどうか、の区別くらいかんたんにできないものか。それもできないのならなんのためのデジタルなのであろう。

途中に(独占状態で不透明な)協会や企業が介入しない、だれにでもわかるオープンな視聴率の調査を望みたいものである。