日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

役者の声

私が子どもの頃と今では、(男性の)役者さんや歌手の方たちの声が高くなっているような気がする。もちろん、今でも低音の方がいないわけではないから、少なくなっているというのが正しいのだろうが。

かつては、石原裕次郎さん、市川雷蔵さん、勝新太郎さん、鶴田浩二さん、高倉健さん、加山雄三さん、三船敏郎さん、渡哲也さん、などと思いつくだけでも、(魅力的な低音の役者さんたちが)どんどん出てくる。今の役者さんだと、向井理さんが甘いマスクでなかなかの低音であるが、他はほとんど思い浮かばない。

私が声変りをする直前くらいの時期に、加山雄三さんの歌と映画が大ヒットをした。
これから自分の声がどう変わるのかがわからないまま、加山さんの歌を(加山さんみたいな)低音で歌いたいと切に願ったものである。その後、自分もおかげさまでなんとか低音に近い声に生まれ変われたことには、今でも感謝している。

まったく興味がないまま、世間で騒がれていた『冬のソナタ』をネット配信で観たときにはおどろいた。ペ・ヨンジュンさんがあまりにもすばらしかったからだ。一瞬、ハリウッドの大スターなのではとも思った。そのときの印象は、なんといってもあの低音の声である。ソフトな顔立ちとの違和感がとてもよかった。それと、直感で市川雷蔵さんの再来とも思った。このふたりの共通点は、魅力的な低音はもちろんのこと、リアリズムの役者さんだ、ということだろう。外観ではなく、内面がそっくりに感じてたまらない。

ヨン様ブームで韓流人気が一気に高まった。
韓流の男性スターたちを見ていて、低音の声がほとんどなのにもおどろいた。
かつての日本のように、低音の役者さんが多いのである。
それに比べて、日本はどうして低音の役者さんが少なくなっているのだろうか。
このことにも興味がある。

昔、小屋という感じの映画館が多い中、古くて大きなスピーカーから流れる役者さんたちの低音は、今思い出してもわくわくしてくる。まだ、サラウンドもなく音質も今ほどよくないスピーカーであったが、役者さんたちの低音に圧倒されていた。
あのよき時代が、今の韓国にはあるのかもしれない。