日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

なにごとにも理由はあるはず

 

発声の達人は息をすべて声に変え、ロウソクの前で歌っても炎は微動もしないという。息をしっかり声にする能力に長けているためで、とてもわかりやすい表現である。

その昔、小さな演芸場で出演者の芸に客席が退屈しているとき、係員はある細工をしたらしい。間違えたふりをして幕を10センチ弱おろし、すぐに戻したとのこと。終演が近いことを客に伝えて救いを与えた。

不評だからと高座を投げ出すのではなく、不評でも高座を全うするための細工である。そういう高座から育った達人もきっといたに違いない。

森真紀(まさのり)さんの著書は題名がおもしろい。たとえば、『悪妻盆に帰らず』。ことわざのパロディーらしい。<前菜は忘れた頃にやってくる>では、遅れて来た一皿にはどこか憎めないものがあり、他日の笑い話にも使えるとのことだ。

 

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時事川柳とくれば、その時期を切り取ったパロディーなのか。
<令和では普通になるか40度>(佐藤正弘さん)。<雨傘が日傘にかわる長期戦>(鈴木藤吉さん)。先月末のよみうり川柳にあった。

そういえば昨日の昼間、晴れていた空が突然曇り激しい雨になった。しばらく続いた後に空は晴れてきたが雨も残っていた。日差しの暑い雨で何人もの女性が日傘で雨を凌いでいた姿が、ふしぎでおもしろかった。

危険な暑さが続いたこの夏も、自宅にエアコンがあるのに使わず熱中症で亡くなる高齢者がいた。使わない理由の多くがは「体が冷える」と「もったいない」である。

壁掛け型の室内機と室外機によるセパレートタイプのエアコンは、1968年に三菱電機が発売。勢いよく吹き出す冷気に大喜びしたのもつかの間で、両親は体が冷えるといって嫌がったり、電気代がもったいないという感覚もあり冷気を堪能するには至らなかった。そのときの子どもの世代が今の中高齢者になっているから、なかなか使わない方もいるらしい。

 

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カクテルの王様・マティーニの作り方は、ジンがおおよそ“3”に対して、ベルモットが“1”らしい。これよりもジンの割合が高いものがドライ・マティーニだという。

ドライ・マティーニといえば、俳優の藤竜也さんを思い出す。以前読んだ記事に興味があったからだ。

藤さんが約50年ずっと行きつけのバーは(横浜の港にある)ホテルニューグランドだという。「俳優になってから、ときどき来るようになって、何年もの間、映画の仕事が1本終わると昼間から来て飲んでいた」という。

だいたいビールを飲んで、そのあとはドライマティーニなのだそうだ。ドライマティーニというものを私は飲んだ記憶がない。その店でいつか飲みたいと思うのだが、その機会に恵まれていないままだ。

大好きなあの名曲『横浜ホンキートンクブルース』の作詞は藤さんである。歌詞の中にも“ホテルニューグランド”が出てくる。それだけに憧れが強くなるのである。

「なにかにこだわる」って、理由があるからこそワクワクしてくるような気がする。

 

 

今週のお題「わたしの自由研究」