日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

反則技の影には記録的ドラマ

 

自分で食べるものは自分で作る。簡単な料理に凝った時期がある。そのとき、食材を床に落とした。捨てようかと思ったがもったいないので拾って調理した。恥ずかしいことであると思ったが、奥さんに言った。

<大丈夫よ、それは「3秒ルール」といって、みんなやっていることだから>。彼女はケロッと答えた。そんなルールがいつのまに? と感心したが、数十年にわたり妻の手料理を食べてきた私としては、数多く“落とした食材”を口にしてきた、ともいえる。

食品の落下に関して、“5秒ルール"もよく使われるらしい。それは日本だけでなく世界的規模で認知されているルールで、“3秒ルール"、“10秒ルール"、“15秒ルール"と地域によってばらつきがあるとか。

また、“3秒ルール"とはバスケットボールの用語にもあるという。ペイントエリアと呼ばれる制限区域で、オフェンス側のプレイヤーは3秒を超えてとどまることは出来ない、というもの。

 

 

プロレスの反則技が5カウント以内に中止すれば許される。反則が売り物でもあるプロレスは、5カウント以内の技のひとつが反則ともいえる。

その昔、北アメリカのプロレスでは王者がタイトルマッチで反則負けとなっても、王座を失わないというルールがあった。

王者が劣勢になったとき、故意の反則行為によって王座防衛を続け、名レスラーとしての地位を築いた例もある。

さて、こちらの反則行為も驚きであった。プロ野球、2014年の日本シリーズでそれが起きた。

福岡ソフトバンクホークス対阪神タイガースで、ホークスが勝敗を3勝1敗としていた。勝てば日本一になる第5戦で、8回裏にホークスが1点を先制し、タイガースが追い詰められ最終回を迎えた。

9回表、ホークスのクローザーの投手が1アウトを取るも満塁にしてしまった。次に迎えるバッターは西岡剛選手である。

 

 

打者・西岡選手のカウントは3ボール1ストライクとなった。そして、運命の5球目が投じられた。西岡選手の打撃はファーストゴロであった。ファーストからホームへのフォースアウト、そして、ファーストへのダブルプレーという場面である。

ホームはアウトになり2アウト。そして、ファーストへ送球したボールは・・・西岡選手の背中に直撃した。だれもが送球ミスでセーフになったと思った。

ところが球審の白井審判は、西岡選手の守備妨害との判定を下した。<バッターランナーがファールラインの内側を走っていたため送球が当たり、ファーストの捕球を妨害した>とのジャッジである。

西岡選手はアウトとなり、3アウト。その瞬間にホークスの勝利で試合終了となり、福岡ソフトバンクホークスの日本一が決定した。1950年から続く日本シリーズの歴史の上でも、守備妨害による試合終了は初めての出来事だ。

後日談で、西岡選手はそれを意図的に行ったことを認めた。「打った瞬間にダブルプレーを意識したため、なんとか逃れる術としてしかけた」とのことである。