日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

席取り合戦の予約札みたいに

 

<御殿も、薔薇も、おひめさまも、手の届くところすべてのものが金になった>。金子みすゞさんの詩『金のお好きな王さま』にあった。その王さまは金が好きなようだ。

校長や教頭が自分の子どもたちを教員採用試験に合格させるべく、県教委の幹部に現金を渡したり、管理職の任用試験で商品券がモノを言ったり・・・と。2008年6月、大分県教育委員会にて汚職事件が発覚した。

<裏口を 死語にさせない 文科省> (世 喜さん)。当時の時事川柳にあった。

県の教員採用試験をめぐり、贈収賄の疑いで県幹部ら4名が逮捕。その後、9月初めまでに、起訴7名、停職などの懲戒処分11名にまで拡大する。

8月には県教育委員会が、不正により合格した教員21名の採用取消しの方針を決めたという。

 

 

週末や休日のショッピングモールのフードコートは、“席取り合戦”の様相である。先に座ればなんとかなる。客同士の口論や荷物の盗難被害もあるとか。

カフェチェーンなどでは“予約(reserve)札”を活用しているところもあるらしい。プラスチック製の座席予約札が置いてあり、先に席を取るように勧めている。そして、利用後には元に戻す仕組みである。

汚職事件の金品も、当事者たちにとっては席に座るための予約札みたいなものなのだろうか。

金品に神経の麻痺した教育者たちが、もし生徒の父母から「うちの子の成績を何とぞよろしく」と現金を差し出されたら、ニヤリとして「おぬしもワルよのう」と答えそうだ。

 

 

<けれども、けれども、そのときに、空はやっぱり青でした>。上述の、みすゞさんの詩の結びである。王さまでも勝手気ままに変えられないものがあるだろう。

“自然との共存”といえばきれいに響くが、山や海が近く川も多いとなれば、自然がひとたび牙をむくと、その力をまともに浴びることになる。

先日の九州豪雨でも、テレビなどで百数十万人の方へ避難勧告をしていたが、避難先や移動手段などが気になってならなかった。言うのはたやすいが、安全に移動できる対策はどうであったのか。

特別警報の“数十年に一度の大雨や災害”という表現を、毎年のように耳にするようになっている。高温化の影響は大きいと思われるが、“異常”や“記録的”な気候変動がもはや普通に起きている。

地球の生命に比べ人の寿命は短い。自分の身内でも祖父母、父母、自分と子、孫あたりまでしか知らない。その範囲だけで豊かになることを念じて生きているにすぎないともいえる。

系図の先に待つ子孫を“無縁の存在”として視野の外に置いてきたツケが、今の地球環境へどのような悪影響を与えているだろうか。とても気になるところである。