日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

もはや現金主義のガラパゴス

 

一昨年の通信利用動向調査で、個人がインターネットを利用する際に使う機器の割合は、54.2%のスマートフォンが、パソコン(48.7%)を初めて上回った。世帯による保有割合でも、スマホは75.1%で、72.5%のパソコンを上回っている。

スマホがネット接続の主要機器となっているということだ。子どもたちにも、深夜までスマホに向き合い生活リズムが乱れているケースが少なくないという。大阪府堺市の中学校で調査をしたら、午前0時以降に就寝する生徒は全体の3割超で、長期欠席の生徒に限れば8割にも上ったらしい。

睡眠不足が健康に与える影響を考慮して、就寝と起床の時刻を記録する活動を続けた。解説した独自教材を作り指導したり、生徒に面談で助言もした。その成果として、1年後に全国平均を上回っていた不登校の生徒の割合が大きく減り、学力向上の傾向もみられたとのこと。

 

 

ヒトがITを利用して音楽に新たな地平を開きはじめた時代でもある。千本桜、いろは唄、地球最後の告白を・・・。音声合成ソフト「ボーカロイド」で生まれたボカロ曲は、奔放なメロディーと独特の世界観を背景にした鮮烈な歌詞で、その創造力に目を見張る。

あの初音ミクがデビューしたのは2007年夏だという。わずか10年と少しで数々の名曲を世に送り出してきた。今は、多彩な音楽を(かつてなく)気軽に楽しむこともできる。

その原動力の一端となるのはコンピューターとインターネット等、IT(情報技術)にあるのはまちがいない。自ら曲をつくりたい人たちにとっても、格好の道具が提供されるようになっているのである。

 

 

海外ではキャッシュレス化が急速に進んでいる。やはりITの後ろ盾は大きい。韓国のキャッシュレス決済の比率は9割と断トツだが、欧米でも5割は超えるという。

韓国では、どんな小さな店や食堂でも、レジで現金のやり取りがほとんどないとか。クレジットカードや電子マネー、さらにはQRコード読み取りも幅をきかせ、およそお札の出番がないのだと。

かたや、2割程度という日本はもはや、現金主義のガラパゴス状態とさえいわれるらしい。ATM網の発達をもたらしたのが、日本人の現金主義である。それがまた“信仰”を増幅してきたのか。

この先10年以内に4割という政府目標もどうなることか。海外からの観光客も増やしたいことだろう。キャッシュレスに慣れ切った外国人は、日本での現金買いが枷になり、“財布の紐”が堅くならないことを祈る。

こうなれば、2024年度発行予定の新札のお披露目をかねて、「安全で美しいお札」の体験ツアーでも企画して、外国人に売り込むのがよろしいのだろうか。