日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

簡易さの裏側には人手いらず

 

地方へ行くと人の数が少なく、廃業店舗が目立つ。“東京一極集中”の言葉がどうしても頭に浮かぶ。しかし、そればかりではないらしい。

東京都への流入超過は1957年の24万4010人をピークに一度下降し、1967年から1996年までの30年間のうち、29年間は流出超過を記録している。同期間の他都道府県への流出は208万2586人だという。

地方暮らしがブームだともいう。移住者にとっては、アマゾンなどのネット通販が打ち出の小づちらしい。衣食などの生活用品を始め、映画や本もかんたんに賄える。

しかし、万能のようなネット通販の時代も移りゆき、“現実の店、ネット、無駄のない物流”などが融合した“新小売”が、今後の主役になるかもしれない。発信地は中国だ。

 

 

無人コンビニやスマホ決済と、中国流通業の変化は進む。丁寧な接客と洗練された店を誇った日本の小売業も、中国のIT技術に飛び越されるのではと懸念。

日本の大手流通グループも中国でITにより店員をぐっと減らした大型の店を作り、いずれ日本などにも広げる構想があるそうだ。電子マネーや顧客データなどを生かした新しい店を急ぎ開発するため、その参考になるのが中国の無人店舗だという。

時代の流れは建築現場にも大きな変化が・・・。大工がノミやカンナで木材を削り、穴を開けて柱やはりを組む。そして、何もなかった土地に戸建て住宅が姿を現す。

そうした建築現場は、もうほとんどないといわれる。今、木造建築の95%以上はプレカット工法らしい。プレカット工法とは、木造住宅に用いる木材を事前に工場で加工し、
現場に搬入する工法である。

大工が現場で一本ずつ木材を加工していく在来工法に代わり、コストカットや工期短縮に資するプレカットが急速に普及してきた。それを支えるのは木材加工の工場である。

 

 

ある会社の基幹工場は無人作業で、ベルトコンベヤーの上を無数の木材が流れていく。ドリルやカッターが器用に動き回り、1本の木材をはりや柱、(家を支える)構造材以外の部材などとさまざまに加工していく。

人間の仕事は木材の梱包や運搬、そして機械のメンテナンスだけ。別の工場ではそれすらも機械化を進めており、工場内に人間がいない。

顧客は、大手ハウスメーカーから地元の工務店まで広がり、プレカット抜きに木造住宅は成り立たなくなっている。プレカット市場の背景には、(木造住宅の)工法の変化がある。

かつて、柱やはりを組み、筋交いを入れることで骨組みを作る在来工法が主流だった。1970年代からコストと工期を圧縮し、住宅を大量に供給するための手法として、柱の代わりに壁で家を支えるツーバイフォー(2×4)やプレハブ工法が主流になってきた。

プレカットなら現場での作業は部材を組み立てるだけで、墨付けや刻みといった職人技術を身に付ける必要もなくなった。人手を省けば省くほど、家が短期間で建つようになっているのである。