日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

便利さの呼び込む低いレベル

 

90億光年離れたところにある星の観測に成功。東京大などの国際研究チームが発表したのは1年前であった。

2015年、研究チームはハッブル宇宙望遠鏡で、90億光年離れた銀河に輝く天体を見つけたが、一つの星として観測できたものでは最も遠いとのこと。

その巨星は「イカロス」と名付けられ、大きさは推定で太陽の直径の約200倍。100億光年より遠くで、(多くの星が集まる)銀河や超新星爆発などの現象を観測されてきたが、単体の星では出す光が極めて弱く、観測が難しかったそうだ。

その成果は、イギリスの科学誌にも掲載された。

 

 

小さな誤解が23年後の2002年、小柴昌俊さんにノーベル物理学賞をもたらしたという。宇宙から飛来する素粒子ニュートリノ”を検出するため、微弱な光を電気信号に変える役目を果たすこの会社の光電子増倍管が欠かせなかった。

電子機器メーカー、浜松ホトニクスの晝馬輝夫社長(当時)は当初、小柴東大教授の注文を断るつもりだったそうな。小柴さんは口径20インチを求めていたが、それは当時最大の5インチに比べて破格の大きさであった。しかも、“金はない”とのこと。

気が変わるきっかけは、小柴さんの研究室に入ったときのこと。毎朝、聖書を読む習慣の晝馬さんは、壁に掛かっていた宗教画を見た。

現代科学のバックボーンはキリスト教だと、信じていた晝馬さん。<先生も神のみぞ知る絶対真理を追い求めている>と共感した。

その絵は、小柴さんが海外旅行中に、気に入って購入した絵にすぎなかったらしいのだが・・・。

 

 

3世紀余前のこと。1701年の4月21日午前に、松の廊下(江戸城)にて儀式や接待をつかさどる吉良上野介赤穂藩の主・浅野内匠頭が切りつけた。取り押さえられた内匠頭は、幕府からその日のうちに切腹を命ぜられた。

家臣2人が殿中での刃傷ざたの一報を国元に伝えた。現在の兵庫県までは約620キロの道のりであった。その走破は6人がかりの早かごを宿場ごとにかえ、4日半を要した。そして、<殿、切腹>の第二報もその半日後にもたらされた。

身命を賭して揺られながら疲れ果てた姿で語る、真に迫ったその内容に疑いを持つ者はいなかったであろう。

現在、情報の伝わるスピードや量はその時代と次元が異なる。個人が手のひらで受発信できることから、電話、メール、SNSなどを駆使した詐欺情報も増える一方。フェイクニュースや誤った情報が公然とちまたに流れ、またたく間に広がる例も格段に増えた。

大国の某大統領も、地球規模の危険を孕む言葉を平気でツイッターに乗せて発信している。広大な宇宙の中の地球では、便利さが増せば増すほど稚拙さが露呈しているような気がしてならない。