日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

春なのに気になるのは脳の話

 

明治時代に来日した米国の女性旅行家エライザ・ルアマー シッドモアさんの著書『日本・人力車旅情』は今なお読み継がれているらしい。

<桜のつぼみが顔を出し、膨らみ、徐々に花開く、これは一般大衆の主要な関心事である。だから地元紙は、開花予想など桜の名所からの速報を毎日つたえる>。

花が咲くという当たり前の自然現象が、報道の対象になるなど他ではありえない・・・と。今も、桜の開花情報が大きなニュースになる日本の春におどろく外国人はいるだろう。

老若男女や身分の違いを超え、江戸の昔から春らんまんを等しく分かち合う花見。その季節がやってきた。

 

 

日本は四季にメリハリがある。その“春・夏・秋・冬”は人生に喩えられることも多い。“青春”などの言葉のイメージで、人生のスタートが春に置き換えられることがある。

成人の年代をむかえて自分は「まだまだ若い」と感じるか、「もういい歳になった」と感じるか。私は常に後者の“もう・・・”である。

その意識は30代になっても、40代になってもまったく同じ。70代、80代になっても、自分の人生の時間経過の早さにおどろかされるはず。それは、脳の錯覚なのだろうか。

自分の一番若い日といえば今日の「今」である。オギャー!と産声をあげてから、今日にいたるまでいくつになっても、「自分の一番若い日」は「今日の“今”」の連続に他ならない。歳を重ねるたびに子どもと大人の境目が、いつなのかわからなくなる。

 

 

脳の細胞の数は約140億で、赤ちゃんも大人も同じらしい。からだの細胞は新陳代謝を繰り返すが、脳は25歳を頂点として毎日10万の細胞が失われるそうな。

からだに流れる血液量は1分で5~6リットル。1時間ではなんと風呂桶一杯分にもなる。(毛細血管も含めた)血管をつなげると長さが地球を2周半とのこと。

そして、脳の労働量はすごい。脳の重量が体重の1~2%に対して、脳に使用する血液量は20%なのである。脳の使用率はたったの3%で、97%が潜在脳ともいわれる。それ以上の使用では血液の供給が追いつかないからなのだろうか。

脳は、「爬虫類脳・哺乳類脳・霊長類脳」の3層構造になっているという。左脳は自分脳で(生まれてからの)自分だけの人生の歴史を認識するらしいが、右脳は先祖脳であり自分脳の10万倍の(人類祖先の)歴史を司る。

左脳の自分だけの人生体験に対して、先祖脳の右脳は神秘的な宝庫なのである。そうなると人の一生がどんどん短く感じて、死ぬまで大人になりきれないままなのではないのか・・・と思えるようにもなってくる。