日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

舌先三寸みたいな統計の数字

 

古い小噺らしい。ある人は願いごとがあり、願をかけて3年間酒を断つことにした。でも、やっぱりつらい。一案が浮かんだ。その期間を6年間に延ばして、夜だけは飲んでもかまわないことにしよう。

夜だけにしたが、物足りない。そこで断酒の期間を12年間にして毎日、朝晩飲むことにした。実に勝手な禁酒方法であり、何年でも続けることができる。(『統計でウソをつく法』より)。

1898年の米西戦争の期間中、米海軍の死亡率は千人につき9人だったという。そして、同期間のニューヨーク市内における死亡率は千人につき16人。この数字を使い米海軍は、海軍に入った方が安全だと宣伝していたとか。

数字には罠があるらしい。ほとんどが健康な青年である海軍に対し、ニューヨーク市民には高齢者や病人、赤ん坊もいる。死亡率は当然 高くなる。その死亡率の比較に意味はないが、数字で示されるとうっかり信じてしまう。

 

 

さて、こちらの数字は信頼できそうである。まだ食べられるのに廃棄されてしまう“食品ロス”。それを減らそうとする取り組みに注目が集まっている。年間で、日本には632万トンもの食品ロスがあるらしい。売れ残りや返品、食べ残しなどでの推計だ。

この量は、国連が世界中で支援している食料の約2倍であり、日本の国民1人あたり茶わん1杯分の食料を毎日廃棄していることになるという。コンビニの弁当や総菜は消費期限が近くなれば廃棄される。外食での宴会料理の残りも気になるところだ。

国連食糧農業機関親善大使・中村勝宏さんによると、世界では飢餓人口が約8億1500万人に上り、世界の9人に1人が満足に食べられないという。

中村さんは、2008年の北海道洞爺湖サミット総料理長を務めた方である。食品ロス削減に関しては、日本が海外に見習う点も多いとのことである。

 

 

フランスのレストランで約14年働いた中村さんは、日常の食生活で様々な工夫がなされているように感じたという。毎週末、フランスでは各家庭がマルシェと呼ばれる市場で、地場野菜など1週間分の食材を買い込む。

残った野菜は葉っぱ1枚も捨てず、鍋で煮込み、クリームやバターを入れて、野菜のうまみがぎゅっと詰まった自家製のスープにしているとのこと。身近にある食材を工夫して、無駄なく安価に一皿を作る姿勢は、料理人の使命でもある。

飲食店では最近、魚や肉の骨を取り除き、切り分けられた状態で専門業者から仕入れているところが増えているらしい。骨からは料理の基本となるうまみのあるだしが取れるので、廃棄されるのはもったいないという。

新鮮な魚のあらでは、それだけで南仏料理の「スープ・ド・ポアソン」(魚のスープ)が作れるらしい。そして海外では、外食で食べきれなかった料理を、持ち帰る動きが広まっているとも言われる。

日本に関しては食品衛生上、持ち帰りは難しいらしいのだが・・・。