音源の楽しみ方はそれぞれに
元祖3人娘といえば美空ひばりさん、江利チエミさん、雪村いづみさん。1974年、雪村いづみさんがデビュー20周年記念として出した『スーパー・ジェネレイション』というレコード・アルバムは今も評価が高い。
和製ポップスの父と呼ばれる作曲家・服部良一さんの楽曲を、元・はっぴいえんどの細野晴臣さんらのバンド、キャラメル・ママが演奏し、戦前戦後の名曲をいづみさんが歌った。
すごい組み合わせの実現は、自主流通盤として3000枚限定で作られたが即完売。その後もコロムビアは再発売を重ね、今もCDとして聴くことができる。
さて、一世を風靡したCDもインターネットのダウンロード音源や配信の影響で、1997年~1998年をピークとして生産額が減少した。
反面、アナログレコードを楽しむ人たちが現れた。音質に魅力を感じるファンのほか、ジャケットに見ほれて収集する人もだ。
レコードはCDと異なり、人の聴覚で聴き取れない超高音域と超低音域が記録されるという特徴がある。その市場は新品が3割、中古7割で、廃盤の商品を探す人もいる。
1960~70年代の渋いロックに浸りたい世代や、1970年代後半~80年代に流行りのシティポップも人気で、すぐに売り切れるレコードもある。本格的なオーディオでレコードを流すカフェバー等も現れ、レコードの音が楽しめるという。古き良き時代のジャズ喫茶を思い出す。
愛好家になった人にはプレーヤーを持たず、まずはレコードを買い進める人も多いとのこと。好きなアーティストのアルバムがレコードで出ると、CDで買った作品でも購入することがあるらしい。
そして、iPod(アイポッド)などのデジタル音源を楽しんできた若い世代が、(好きな音楽を)物として所有したい時、“CDにこだわる必要はない”と考える傾向もあるとのことだ。
私自身は、“手間・暇と、かなりのお金”のかかったアナログ音楽より、今のシステムが簡単で楽しくてたまらない。
大ヒット製品ウォークマンは、ソニー創業者の井深大さんが、旅客機で音楽を聴く際にテープレコーダーが重過ぎるからと、製作依頼して生まれた。ウォークマンを、人気ミュージシャンらが使い始め、そのファンたちが購入してブームが起きた。
アップル創業者スティーブ・ジョブズさんは、ウォークマンに感動してiPodを考案した。そのiPodに電話機能をもたせたらどうだろう、と誕生したのがiPhoneである。
そのiPodを、『女々しくて』で有名なゴールデンボンバーは、アリーナクラスの会場で(エアバンドの)音源として使っていたとか。鬼龍院翔さんがテレビで言っていた。樽美酒研二さんが曲を流すためにドラムセットの陰でiPodを操作する。時々、操作を間違えてあせることもあるらしいが。
そんなにすごい機器はものすごく小さくて、私のポケットの中にも簡単に収まっている。