日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

けたたましきユーチューバー

 

冬景色の野山で早咲きの春の兆しを探すのが「探梅」といい、冬の季語だという。初物好きの江戸っ子は、雪の降るうちからそこら中で梅を探し回り、ほころびたつぼみ一つ見つけようものなら鬼の首でもとったようにほくそ笑む。江戸の書物に探梅風景を記したがあるという。

春の季語で梅を見るのが「観梅」である。数年ぶりに、熱海の梅園に行ってきた。入園してすぐに、“鳥の鳴き声の笛”を売る出店の前で、自称ユーチューバー(YouTuber)なる年輩女性が、「ユーチューブにのせてもよろしいでしょうか」とインタビュー?をしていた。

その後、私が写真を撮っていると、横でヘンなナレーションが聞こえた。「おや、黄色い梅がありますね。これは蝋梅といって・・・」などと例の女性の怪しいウンチクだ。すぐ近くで鑑賞していた老人男性からは「そうじゃないよ」とツッコミが入る。女性は反論するが、梅への知識が乏しいらしくオロオロしていた。

 

 

デジカメの出荷台数は2010年に1億2146万台とピークを迎えた。それから高精細なカメラを搭載したスマートフォンに押され、16年に2419万台と5分の1に激減。

しかし、2017年に出荷したデジタルカメラが前年比3.3%増の約2498万台で7年ぶりの増加となった。

スマートフォンの普及で苦戦していたデジカメも、画像共有サービス「インスタグラム」などを通じて、表現力にこだわる消費者が増え、販売に貢献したのである。

高価なデジカメを求める傾向が強くなり、コンパクトデジカメや、軽量な「ミラーレス一眼カメラ」の出荷台数が好調。まさに“インスタ様様”である。写真と動画のちがいはあるが、あのユーチューバーの女性を思わず連想してしまう。

 

 

さて、俳句では“布団”も冬の季語になるらしい。<蒲団(ふとん)着て寝たる姿や東山>。江戸から京都にやって来た、(松尾芭蕉門下の)俳人服部嵐雪の句である。

毎朝、布団から出るのがつらい時期である。冬の朝に目覚めてから、布団を出るまでの時間について、気象情報会社が数年前にアンケートを行った。

全国平均は、13.3分。都道府県別では、暖かい西日本が短かったようだ。

<梅一輪一輪ほどの暖かさ>。こちらも嵐雪の代表作である。早春の句として解釈されそうだが、“寒梅”の前書きがあり、冬の句なのだという。