日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

過去の最高と最低を連続更新

 

毎年この時期になると、前年の集計を元にした記事が新聞に載る。3119万1900人。2018年の訪日客数は3000万人を初めて突破したという。初めて1000万人を突破した2013年から5年間で約3倍に増えた。

2018年に日本を訪れた外国人が国内で使った金額・・・といえば、4兆5064億円。こちらも過去最高ではあるが、訪日客1人当たりの消費額は近年で低迷している。

中国などの訪日客が大量に家電製品や日用品などを購入する“爆買い”が注目された2015年、1人当たりの消費額は約17万6000円だったが、2018年には15万3000円。

ちなみに政府が掲げる目標が、2020年の訪日客は4000万人、その消費額として8兆円とのこと。現状でアジアの国や地域などからの訪日客が大半を占めているため、欧米などからの誘客を強化したいようだ。

 

 

14年連続で過去最低を更新中なのはビール類の出荷量である。2018年は、前年比2.5%減の3億9390万ケース(1ケース=大瓶20本換算)。

低価格の第3のビールは3.7%増の1億4983万ケースだったが、ビールが5.2%減の1億9391万ケースで発泡酒も8.8%減の5015万ケースだった。課税出荷数量でピーク時の1994年に比べて3割も減っている。

酒類メーカーの苦労も無視して、国が安易に税率を操作することが、ビール離れの一因であることは明らかである。“税”とくれば、大嫌いな与党議員の顔が脳裏に浮かんできそうになる。

<市民のみなさまと市役所を直接結びつけるのが仕事です>。こんな表示を掲げたのは黒澤明監督の名作『生きる』であった。市役所の市民課が舞台で、住民が窓口を訪れて、「公園を造ってほしい」と訴えても、他のいくつもの課にたらい回しするだけ。

現実の役所でそんなことはないだろうが、“お役所仕事”のイメージはあまりよろしくなさそうだ。

 

 

志村喬さんが扮する課長は、機械のようにひたすら書類にはんこを押していた。映画では、胃がんで死期が近いことを知った課長が、生きた証しを残そうと公園造りに邁進する。

黒澤監督のすごいところは、主人公が活き活きと仕事を全うし始めるところの次のシーンで、本人の通夜の場面へと切り替わる構成だ。

(余談であるが)大正時代末期、大阪の洋食店パンヤの食堂」(現「北極星」)で、胃の具合の悪い常連客が毎回オムレツとご飯を注文していたのを見かねた店主。トマトケチャップで炒めた具入りのご飯を卵で包み出した。オムレツとライスだからオムライスと名付けられ、瞬く間に人気メニューとなった。

オムライスは、れっきとした日本発祥の創作料理なのだ。『生きる』の課長さんもオムライスを食べたのだろうか。

映画では、通夜の席で課長のそれぞれの想いとエピソードで、その人を偲んだ部下たち。生まれ変わったつもりで仕事をしようと誓い合った。

もっとも一夜明ければ、「われ関せず」のお役所仕事に逆戻りである。