日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

キャッシュレスの裏には何が

 

自宅や街中でも、人々は“テレスクリーン”という双方向の映像装置で監視されている。その背景は一党独裁の社会である。党及び、そのトップ「ビッグ・ブラザー」に背く言動が発見されると、思想警察に捕らえられて監禁、拷問される。

英国の作家ジョージ・オーウェルさんが1948年に執筆した未来小説『1984年』のストーリーだ。71年前、旧ソ連を念頭に書かれた作品であるが、スマホやネットワーク化された監視カメラは、21世紀のテレスクリーンの如くオーバーラップされてくる。

飲食店の看板には「キャッシュレス」や「×現金」の文字。夕方になると仕事帰りの会社員でにぎわう。店内で利用できるのはクレジットカードや交通系ICカードなどの電子マネーだけ。

そこにQRコード系利用の支払いも加わるのだろうか。スマートフォンやカードをかざすだけで、割り勘での支払いにも対応できる。同様の店が日本でも現れているらしい。

 

 

世界ではキャッシュレス化が進み、韓国や中国もキャッシュレスでモノやサービスの対価を支払う決済比率が50%以上。米国で4割を超えているとのこと。

日本のキャッシュレスの決済比率は2割ほどである。キャッシュレスの流れは2001年に登場したSuica(スイカ)など交通系電子マネーや、インターネットの普及で徐々に進んできた。スマートフォンを読み取り機にかざして買い物ができる“おサイフケータイ”機能も、人気機種の対応で普及した。

キャッシュレス化の流れは、消費者にとって支払いがスムーズになるなどのメリットがあるが、決済日の違いなどで家計管理が難しくなるデメリットもある。それも、家計簿ソフトなどの利用でチェックの簡素化は可能だ。

企業側にもキャッシュレス化の利益がある。店で現金を扱わなくなることで、釣り銭の準備や売上金の入金といった作業がなくなり、従業員の省力化が図れるからだ。

 

 

さて、中国のキャッシュレス化は猛烈な勢いで進行中らしい。その主役ともいえるスマホは、銀行口座に直結している。アリババが運営の「支付宝(アリペイ)」など複数のサービスには、延べ12億人が登録しているようだ。

その利便さと引き換えに、個人のあらゆる情報や行動がネット業者に蓄積されて「格付け」される。そこへ、店頭で撮影される顔の画像データも加わり、“飴と鞭”のような感覚で人々の生活を監視していく。

携帯が義務づけられている中国人の身分証は、中国版LINE「微信(ウィーチャット)」へと(電子的に埋め込む制度が)2019年1月から全土に広がり、ウィーチャット上で表示される身分証へと切り替わる。

上述の小説みたいに、人々をキャッシュレス社会の利便性のとりこにさせながら、監視機能を飛躍的に高めることへと、コトを順調に導いているようだ。そして、数十億人分の膨大な情報を、蓄積・分析できる最新の“ビッグデータ”まで手に入れている。