日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

スマホとヒトの頭脳は神秘的

 

この時期に一年を振り返り、仕事や趣味で納得いく成果やいいことがあれば、このよき年の終わるのがもったいなく、寂しさもふとよぎる。“年惜しむ”とは、しみじみとした季語である。

そんな風情で年忘れの杯を傾けることができる人は幸せで、やり残しの憂いに浸りながら酔うのが、年の瀬の恒例になっている。

多くの人は、見えぬ明日への不安を抱いて生きているらしい。人生を切り開く精神力を持つ人も、霊感などに無関心を通すのはむずかしいとか。

「手相を易者に見てもらった」。作家・志賀直哉さんは娘さんから聞いて、きつく叱りつけたという。その種のことが大嫌いな性分なのだ。

自分の将来をそういうもので占おうとしてはならぬと、厳しく説教したあとで尋ねたという。「で、何と言われたんだ?」。

 

 

家庭に1台しかなかった電話を各自が1台ずつ持つようになって久しい。そこで何が起きたのか。<人は膨大な量のプライバシーを、抱え込むことになった>と。(エッセイスト・酒井順子さんの『黒いマナー』より)。

インターネット接続の車やキャッシュレス化で、なくてはならぬものがスマートフォンである。端末やデバイスという役割だけでなく、スマホは正真正銘のスーパーコンピューターになっているらしい。

機械学習により、写真に写っている人の顔を認識したり、関連性の高いタイムリーなアプリや位置を提案したりするなど、人物を認識して私たちの望むものを習得しつつある。

先日の新聞記事で、裸眼の視力が1.0未満の高校生の割合が67.09%で過去最悪とあった。小学生は34.10%と4年連続で過去最悪を更新している。

文部科学省は「近くを見るスマートフォンなどを使う時間が増えているため」と分析。これは、スマホの普及率の大きさを示す数字でもありそうだ。

 

 

この一年のラスト前までも将棋界の話題は豊富で、ものすごい頭脳の戦いが繰り広げられているようだ。

棋士の藤井 聡太さんは、通算100勝の最年少記録(16歳4か月)を、歴代最速・歴代最高勝率で更新。羽生 善治さんは、第31期竜王戦七番勝負で、挑戦者の広瀬章人八段を相手にフルセットの上3勝4敗で敗れ、1990年度の棋王獲得以来27年振りの無冠となった。

<兄たちは頭が悪いので東大に行ったが、私は頭が良いので棋士になった>。米長邦雄永世棋聖による伝説の語録らしい。

将棋の大山康晴十五世名人は、講演をした折に演壇から降りて、「お客さんは何百何十何人でしたね」と係の人に告げた、との逸話がある。そしてその数字は、主催者の記録とぴったり一致していた。

<客席は将棋盤と同じマス目だから、ひと目で分かりました>とのことである。棋士は計り知れなく神秘的な頭脳の持ち主なのだろう。

なにはともあれ平成最後の年末は深まるばかり。行く年ばかりではなく、去りゆく時代を惜しむ気分も満ちてきている。