日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

「せつもく」は「なにもく」か?

 

和製文字らしい。女偏に鼻の「嬶」で“かかあ”と読む。国文学者・池田弥三郎さんは随筆に書いた。亭主の浮気を嗅ぎつける鼻を取り入れるとは「昔の人も味なことをする」。

将棋の最年少プロ・藤井聡太七段が15歳で四段のとき、公式戦通算50勝を達成した。そのときのテレビ映像でのコメントが話題になった。「“せつもく”の数字となりました」と藤井さん。報道陣からは困惑の声で「“なにもく”ですか?」と。

これまでも中学生らしからぬ言葉遣いといわれていたが、「節目(ふしめ)」のこんな読み方はすばらしい。

新聞や雑誌に使われている単語は年間約3万語といわれ、昭和30年代の高校の上級生が、ほぼ同じ数の語彙を持っていたそうだ。読書家の藤井さんもこのレベルだったのだろうか。

約20年前の記述では、“今の大学生でも1万5千から2万くらいに落ちている”とあった。現在の学生の平均的な国語力はもっと低いかもしれない。

 

 

<読書の訓練、作文の訓練は、テレビ時代、さらには携帯電話時代になればなるほど重要なんです>。作家・丸谷才一さんのエッセイにあった。

アンデルセンの童話『裸の王様』にはもとになる寓話があるという。「何も着ていない」と真実の声を発したのは、馬の世話をする人だったらしい。それをアンデルセンは子どもに言わせた。権力者の“衣装”を誰もが称える中、見たままの事実を口にする。それには子供がふさわしいとの考えからだ。

3歳前後の子どもが自己主張して親を困らせることは「第一反抗期(イヤイヤ期)」といわれ、それに次ぐものとして中学、高校生頃の子どもが親に逆らったり、親を無視したりする行動の「第二反抗期」がある。

この時期の親への反抗は「成長の証し」と言われてきたが、近年は思春期に見られる第二反抗期のない子どもが増えているともいわれる。

 

 

LINEなどのやりとりが日常化して(親子で)友達関係が強まったり、親の接し方の変化も影響しているのか。第二反抗期がなく、思春期になっても親子関係が良好なままという例も珍しくないようだ。

反抗期について、全国の中学生以上の子どもを持つ35~59歳の男女(親世代)と、15~29歳の未婚男女(子世代)を対象に行われた、生命保険会社の調査結果(2016)がある。

「反抗期がなかった」という親世代は3割に満たなかったが、子世代は約4割と多かった。反抗期のあった子世代でも、その8~9割は父母との関係を「良好」と答えている。

「父母から褒められることが多かったか、叱られる方が多かったか」という質問は、親世代が子世代に比べ、「叱られる方が多かった」との割合が6~10ポイント高い。

“褒め育て”の定着などと、親の子どもへの接し方が変わってきたことも、反抗期が減っている一つの要因のようだ。思えば私も、父親とよく遊び、友人からは友達みたいだ、などと言われたのを思い出す。ただ、第二反抗期を乗り越えてからの付き合いだった、と記憶しているが。