日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

レア物も革新の波に洗われる

 

昨秋、インターネットのオークションで、有名人のサインを偽造販売していた男女の4人組が、詐欺の疑いで逮捕された。

人気女優の写真やカリスマグループの色紙に偽のサインを作成。インターネットオークションで3人の顧客へ販売し、計1万2300円を騙し取った。

容疑者らは、前年の1年間にも1万4000点を、約6000人に販売し3000万円以上を荒稼ぎ。その4、5年前に遡れば、同様手口での被害総額が1億円に上る。

そこまで有名人のサインにニーズがあるというのも驚きだが、偽物か本物なのか判別できないネットオークションで購入すること自体が不可解である。

TV番組の某キャスターも<サインをもらった人がネットで売るなんてあっちゃいけないこと。そういう人がいるから偽物が出てくる>とのコメントを出していた。

 

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ポーカーのプレーヤーが、無意識に示す癖を“テル”というらしい。通常、手が強い場合は迷わないが、手が弱いと はったり(ブラフ)をかけるかどうか迷う。相手が手札をながめていたり、(こちらの)顔色をうかがうようであれば、手は弱いというしるしになる。

それを逆手に、強い手を隠す勝負師の駆け引きもあるため、油断は禁物らしいが。だから、ブラフをかける時には迷わずに、手の強い時には考えるふりをすることである。

クリスマスが近づくこの時期など、お店のショーウインドーは華やかに飾りつけられる。それを“ウインドードレッシング”というらしい。この言葉は、企業などの業績で(実態より良く見せる)粉飾を表すのにもよく用いられるという。

クレジットカードのグレードはゴールドよりプラチナが上級であり、入手困難なチケットの表現の場合はプラチナチケットと呼ばれる。ところが貴金属のプラチナの価格が低迷しているというのだ。金の24分の1しか採れず、生産コストも高いのになぜなのか。

 

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2015年1月以降、金との差は逆転したままねじれ状態らしい。プラチナの価格は、似た金属のパラジウムにも抜かれ気味ともいわれる。ディーゼル車の排ガスから有害物質を除くというニーズの後退が背景にあるとの推測もある。

人々が渇望するレア物は歴史をつくり、世界観をも変える。それでも、いつかは輝きが減ずる宿命のようだ。

市場の流通商品がメーカーごとの個性を失い、消費者にとってはどのメーカーの品を購入しても大差のない状態のことをコモディティー化という。一時、光を放った何かも、経済の構造変化やものづくりの革新の波に洗われることだ。

希少な香辛料を原産地から得るために、次々と欧州の船団がインドやアジアを目指し海へ出た。15~16世紀のことである。やがて、航路が開拓され、栽培技術も向上したことで、18世紀には値が下がった。

現在、神器の如くはやされる人工知能(AI)やEVも例外ではなかろう。それも、当たり前のように組み込まれると、輝きは早く失せるような気がする。