じわり増える人工知能の出番
<人間の業の肯定を前提とする一人(いちにん)芸>。立川談志さんは落語のことをこう言い表した。誰にもあるやるせなさや弱さを笑いでくるむから、ほのぼのとする温かみがどこかにある。
八代目・桂文楽さんには小言の流儀があったという。小言の種をためておき、一番小さなことで、短く、大きく叱る。その“短く”には味がある。
叱責とは「いかに言わないか」の技術でもあるようだ。逃げ場のない所に追い込むことはしない。
不満や将来への不安を抱える社員を、AI(人工知能)が見つけ始めている。メールの文面や出勤時刻の微妙な変化。そして、社員の笑顔の細部の様子などが判断材料になる。辞めそうな社員を把握し相談に乗る仕事として、AIを活用する企業もあるようだ。
<できれば図書館で文庫の貸し出しをやめてほしい>。昨秋、全国図書館大会に出席した文芸春秋の社長が呼びかけた。文庫本は自分で買ってもらえないか、という思いなのだろう。
図書館でも、持ち運びやすい文庫は利用者に人気があるという。小さな本だからこそ大きな存在感を持っている、というところがおもしろい。
若者の“新聞離れ”の背景といえば、インターネットの普及が挙げられる。しかし、スマートフォンとにらめっこをしているのには、別の理由もあるようだ。
電車の中で読むのはオッサン臭いため、新聞を持ち歩くのがかっこ悪いらしい。逆に、新聞を熟読している若い女性を見かけると思わず見とれてしまうのだが。
さて、AIの話に戻そう。とうとう・・・というか、ついにJR東日本は、赤羽駅(東京都北区)のホームに無人店舗を出したという。AIを活用した店員のいない物販店は、都内の駅では初めての試みらしい。まずは、2か月程度の実験営業をするとのこと。
品ぞろえは飲み物やパンなど約140品。お客さんが店内で手にした商品を、天井や棚に設置したカメラで自動認識をする。品物を棚に戻す動きもAIで認識できるようになっているという。
お客さんが決済ゾーンへ進めば、ディスプレーに商品名や金額を表示するのだ。支払いはお客さんが端末で「Suica(スイカ)」などの交通系電子マネーをかざして行う。
そして、代金の支払いが完了すると出口が開くしくみになっているようだ。