日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

器を替えてヒットした飲み物

 

この夏、家ではビールをまったく飲んでいない。外では相手もいるため、“とりあえず”の生ビールを1~2杯飲む程度。

2017年の国内ビール販売数量で、主力ビールの「スーパードライ」(アサヒビール)は前年比2.1%減の9794万ケースだった。1億ケースを割り込むのは29年ぶりとのこと。発売3年目の1989年に1億ケースを突破して以降、毎年1億ケース超を売り上げていた。

総務省の調査では、2017年に2人以上の世帯がビールに支出した額は平均1万1213円で、前年を516円上回ったそうだ。支出額は08年から9年連続で減少していたという。

2017年は酒の安売り規制が強化されて、ビールの値上げが相次いだ。発泡酒や第3のビールを含めたビール類の出荷量は、1992年の統計開始以来の最低値を、昨年まで13年連続で更新している。

 

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<消費者は節約するだけではなく、価値あるものに支出する傾向がある>という。アルコール度が高い酎ハイやサワーは若者に人気である。ジュースのようなアルコール飲料や、ウォッカ使用の「チューハイ」も売れている。私自身も、ビールよりもお得感があり、ビールに見向きしない。

一方、ウイスキー市場は順調に伸びている。1983年をピークに減少傾向であった国内のウイスキー出荷量は、ハイボールブームもあり2009年から増加に転じている。17年の出荷量は08年の2倍以上に拡大した。

ただ、ウイスキーの国内需要が年々高まり、国産の品薄感は一層強まっている。原酒の熟成には少なくとも数年かかるため、代わりに輸入品の拡大を図る動きも出ている。

 

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ペットボトルコーヒーの人気がおもしろい。サントリー食品インターナショナルが昨年4月に発売した「クラフトボス」がけん引役で、発売から1年で累計販売数量3億6000万本以上を突破する大ヒット。

短い休憩時間、リフレッシュでコーヒーを1缶、というイメージであったが、消費者の生活習慣の変化で、長時間かけて飲む“ちびだら飲み”をできるのがウケた。夏季にもよく売れた。

2018年春には、ほかの飲料大手メーカーも、ペットボトルコーヒーの新製品を続々と発表。

飲料メーカーの缶コーヒーは飲料全体の25%(金額ベース)を占める大型商品だった。各社が著名ブランドを抱え、ほかの飲料に比べて単価が高く、利益を生む「稼ぎ頭」だ。

その地位も足元で揺らぎ、コンビニなど100円程度の低価格で“いれたてコーヒー”が発売された。

メーカー各社は対抗してボトル缶に力を入れた。“味”と“蓋を閉められる”ことで支持を集めたが、ショート缶をはるかに上回る原価で利益率を大きく下げた。

スタイリッシュな印象のペットボトルが、若年・女性層のニーズをつかんだこともブームの要因であった。

イデアを絞り出し庶民的なヒット商品を生み出す飲料メーカーに対し、ひたすらに増税だけしか能のない政府。ビール離れの責任など、なにも考えておられないことだろう。