日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

知能犯の様に単調ではない雨

 

子どものしつけで言われる<好き嫌いはいけません>。いくつもの栄養素をくまなく摂取しないと、からだによくない。

脳も同じで“雑食”を好むらしい。色々なことをバランスよく経験すると、健康が保たれる。また、左右の脳が釣り合いよく使われることで、脳を疲れさせない。偏食はだめで、単調な使い方だと脳は弱くなってしまうのだ。

「話のネタ」などの“ネタ”という言葉。“種(たね)”の倒語で読みは逆さまだが、“材料”や“もとになるもの”という意味はそのままのようだ。

それにしても例の組織の連中は、脳を満遍なく使いネタも尽きない。

昨秋、“オレオレ詐欺”の電話を一度は見破った(埼玉県春日部市の)女性(83)が詐欺の電話に気づいて、だまされたふりをしてもらうように仕向ける(新たな手口の)「だまされたふり作戦」が行われた。

 

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おいを名乗る男から女性宅に「車の事故に遭った」との電話が入った。女性は本人と連絡を取り、詐欺だと気づいた。とても冷静沈着な判断でお手柄である。

そこへ、警察官を名乗る男から電話が入り、女性は詐欺の電話があったと伝えた。警察官という男は「それは詐欺です。お金を取りに来る犯人を捕まえるので100万円を渡してください」と要請したという。

女性はだまされたふりをして自宅前に現れたスーツ姿の男に100万円入りの封筒を渡した。すかさず、「犯人を逮捕しました。お金を返します」との警察官の男から電話を受けた。

その後、いつまでたっても連絡が入らず、女性は現金100万円をだまし取られたことを悟った。通報を受けた警察署では、“だまされたふり作戦”の場合、通常は模造紙幣を使ってもらう・・・とのことであった。

 

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今は、一筋縄ではいかないような騙し方が多いような気がする。それは、天候についてもいえる。

蝉の声がやみ、青空がにわかに曇り、水煙を立てて雨が滝のように落ちる。でも、2、30分もすればからりと晴れ、蝉がまた夕日に鳴き出す。そういう昔ながらの夕立が明治の末年から姿を消したと、劇作家・岡本綺堂さんは随筆に書いていた。

このところの降れば豪雨の降りっぷりを見るにつけ、雨の具合はどうもおかしい。海から蒸発した水蒸気が雨となって降る自然界は、巨大な蒸留装置でもある。

地球の温暖化で海面からの蒸発量である雨のネタ(材料)が増えたことで、蒸留装置に変調をきたしたとも考えられそうだ。

18世紀の半ばから地球の温暖化が始まり、20世紀の初め(明治の末期)は大気中の二酸化炭素濃度が急カーブで上昇しはじめた時期だった。

記録的な大雨は「数十年に1度の異常気象」だった、などの表現がある。それは“数十年周期で降る雨”ということではなく、“起こりそうなこと”を数字で飾りに示しているだけ。

この数年も、“50年に1度”の大雨警報が何回か出ているはずだ。「起こりそうなこと」と「確率」は別物で、今は巧妙な手口の災害が何度も起こりやすい状態でもある。