日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

着想・意識・疑問の深層心理

 

この時期の快適な履物といえば、ビーチサンダルである。通称“ビーサン”は、海辺だけではなく、街なかで自由に履きこなす人も多い。

このアイテムを世界に広めたのは日本のメーカーだという。内外ゴム(本社・兵庫県)が1955年に売り出した。1913年創業で、人力車用タイヤで成長した会社である。

ビーチサンダルを手がけるきっかけは、アメリカ出身の靴デザイナーであるレイ・パスティンさんとの出会いだった。戦後に来日したパスティンさんは日本の草履に興味を持った。暑くても蒸れず、脱着もかんたんなデザインだ。

パスティンさんは、大量生産できる履物としてゴム製のビーチサンダルを思いつき、内外ゴムへ技術協力を求めた。内外ゴムも、クッション性に富み、軽くて水や空気を通さない“独立気泡スポンジ”を開発したところであった。

提案を好機ととらえてアメリカへ輸出すると、たちまちヒット商品になった。販売開始から間もなく、ハワイで月10万足が売れた。

 

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ビーチサンダルはロングセール商品へと成長したが、一時的な流行で姿を消す商品も少なくはない。スマートフォンのゲームアプリ「ポケモンGO」は2016年7月に配信されて世界中で大流行。徒歩や車の運転中にスマホを扱う人を助長させたことでも、社会問題になった。

今は、あの勢いも失せたが、40代以上の世代にはまだまだ人気が高いという。中高年がこのゲームを続けるには理由があるそうな。

人は何かを得る喜びより、失う悲しみの方が2倍以上大きい。続けることで手持ちのポケモンが増え、ゲームのレベルも上がる。やめてそれまで蓄積したものを失ってしまうのは損だと思い、ゲームを続けてしまう。

どうやら、このような心理が働くらしい。この心理は年長者の方が大きい。

<人生経験が長くなるほど、リスクへ臆病になりやすい。中高年は若い世代よりも損を避けたがる傾向があるようだ>とのことだ。

 

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室内楽曲を書く意識は、たとえばオーケストラ曲を書くそれと、いちじるしくちがう>。作曲家・池辺晋一郎さんは、作曲について興味深いことを書いていた。

オーケストラのスコア(総譜)では、30~40段の五線紙に音符を置いていくことになる。それは、<脳裏に大きなキャンバスがあり、さまざまな色を混ぜ合わせていくのに似て、そこで鳴るオーケストラの音を想い、心に鳴らす作業>なのだと。

逆に、室内楽は演奏する人数が少ないため<段数の少ない五線紙に、いわば親しい友人たちの声を聞き取るように、音符のそれぞれを書きとめていく感覚>なのらしい。

書きとめるといえば、授業でノートを取ることは、学問の基本と思われていた。話のポイントをつかんでまとめる習慣は、社会に出て必ず役に立つはず。

今はノートを取る学生が減っている傾向とか。パソコン画面をスクリーンに映して解説する授業が普及のため、学生はスマートフォンで撮影したり、配布資料にメモする程度で済ませノートを持ち歩かない学生が半数を超えるとか。

私にはどうもこの風景が想像できない。やはり、古い人間なのだろうか。