日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

AIは考える体をもたらすか

 

平均0.4秒。投手の投げた球が捕手のミットに収まるまでの時間らしい。その0.4秒間に、「このまま普通に打ってもヒットにはならないぞ」と悟れば、わざとバットのヘッドを遅らせて詰まらせる。そして、ボテボテの内野安打を狙う。

<頭ではなく体が判断>と言い切るのはイチロー選手だ。“考える体”をもつ天才バッターは、数々の記録のみならず、大リーグのオールスターゲームで、球宴史上初のランニング本塁打含む3安打を放ち、MVP(最優秀選手)に選ばれたこともある。

打席では、“バットを正面に立て、袖を軽くつまむ”一連の動作を欠かさない。不調なとき、(不調だというデータを)相手投手に隠せるからだ。

車では、利用者の持つ走行記録、位置情報などの隠れた「ビッグデータ」を探り出すため、総務省や自動車会社がインターネットへつなげたがっている。

 

2147

 

トヨタ自動車は、2020年までに日米で販売するほぼ全ての乗用車をネットに接続できるようにする方針で、日産自動車やホンダも開発を進めているようだ。

自動車会社ごとに保有するビッグデータを、旅行会社や飲食店紹介サイト、保険会社などの異業種が使えるようになれば、様々な新サービスが生まれると期待している。

外食や観光分野では、普段よく立ち寄る場所からお薦めの飲食店や観光スポットを紹介したり、車の状態を自動的に把握して、故障しそうな部分の修理を提案する。保険分野では、急発進・急ブレーキが多いなどと運転の特徴を把握して、危険度に応じてきめ細かく保険料を設定することもできる。

総務省も一定のルールを整備して、様々な業種が共有できることに乗り気のようだ。

 

2148

 

1973年、アース製薬が「ごきぶりホイホイ」を世に送り出した。トリモチのような効果に加えて、そのネーミングが消費者をひきつけた。

知らぬ間に自分が防犯カメラに映っていて、いつ、どこに行ったか、行動データがさまざまな記録に残る。そんな社会が、今や当たり前だ。なんとなく、国が「ごきぶりホイホイ」に思えてしまう。

現在、中国がAI社会となり、監視目的で使われることが多いらしい。人工知能(AI)を使った顔認証が広まり、多くの人たちの動きを瞬時にとらえ、当局に伝えることになっているとのこと。

犯罪やテロ防止などの名目で加速する一方、市民の側は意識が低い。人権やプライバシーをめぐる議論が置き去りになっているのである。

顔認証できる眼鏡状のAIカメラがあるらしい。中国一部の都市では、警察官がそれを身につけてパトロールを始めるのだ。イベント会場などで指名手配容疑者が摘発されることもあるという。

少数民族問題を抱える新疆ウイグル自治区では、特定の人物が自宅や職場、通勤路から300メートル以上離れると、カメラの顔認証を通じて当局に通報されるともいわれる。

あちらこちらの路地裏の居酒屋に引っかかる私など、きっと目をつけられる。そのとき、イチロー選手みたいに“考える体”があればいいのだろうが・・・。