日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

「雑談なし」と「見よう見まね」


私の近所では回転寿司の受付を、ペッパーくんがやっている。今やロボットと接するのが珍しいことではない。

昨年6月には、店員の振る舞いを自動的に学び、見よう見まねで仕事をする接客ロボットが開発された。高さ1.1メートルの人型ロボットだ。店員の動きや客との位置関係を赤外線センサーで把握。店員は客になにを話しかけているかを、(店員がつけた)小型マイクで認識する。

そのことで、店員の動きや会話を学び、ロボットが再現する。今まではロボットに仕事をさせようとすると、(専門家による)複雑なプログラミングが必要であった。“見て学ぶ”機能を備えたロボットは、誰でもが簡単に教育できるのだ。

弁当店で店員と客役の男性とのやりとりを学習したロボットは、店の前で店員と同じ位置に立ち、デモンストレーションの接客を始めた。店の前を通りかかる人たちに「おいしいお弁当はいかがでしょうか」などと声をかけた。

 

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そのうち、客のクレーム処理もロボットがこなすようになりそうだ。

ポテトチップスの誕生は1853年、米ニューヨーク州のレストランだという。フライドポテトの切り方が“厚過ぎる”と、客からの苦情がきっかけだった。

クレームに怒った料理長が、腹いせで紙のように薄くスライスして揚げた。それが評判となり、料理本でも紹介され広まった。

以前、独協大学特任教授・深澤真紀さんの料理に関するコラムを読んだ。食事に手をかけなくてもいい、との内容だったか。

日本の女性の家事時間は外国に比べて長いらしい。男性が家事をしないことと、女性がきちんと食事を、手作りしなければいけないと思っているからなのだ。

一方で「ちゃんとできないから、もう菓子パンやカップ麺でいい」とあきらめてしまう人もいる。食事に関する二極化だと深澤さんは指摘する。

忙しい時はカット野菜で、総菜も栄養を考えて選ぶ。大事なのは食事のバランスなのだ。手作り派は少し手抜き、あきらめ派は少し工夫すれば、ちょうどいい。

 

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海外取材で家庭の食事は、アジアなら外食やテイクアウトが多く、ヨーロッパはハム、チーズとパンを買い、スープかサラダを作るだけ・・・などと。

栄養バランスをとればいい、との発想はこちらも同じだ。

<コロッケやギョーザは一つ一つじゃなくて、大きく作っても味は同じ>。長年提唱しているのは平野レミさんだ。<ご飯と具だくさんのみそ汁で十分だよ>とは土井善晴さんの言葉。それは「一汁一菜でよいという提案」でもある。

おいしいものや手の込んだものは、外食だったり、時間に余裕のある時の楽しみでいい。

さて、接客の話に戻そう。一生懸命、客に声をかけるロボットとは反対に、運転手が雑談をしない「サイレンスタクシー」があるらしい。

昨春、京都の都タクシー会社が導入した。行き先などを確認後は黙ってハンドルを握り、静かな空間を提供するのだ。

客と1対1の時空間を共有するタクシー運転手には、雑談の名手が多いはず。約300台の車の10台で試行スタートだったという。

「疲れていたのでありがたい」などと好評らしい。紙のように薄いポテトチップス同様、何が好まれるかは時代で変わってきている。今はスマートフォンでほかの誰かとつながって乗る客も多く、車内は運転手と客だけの閉じた空間ではない。

かつて、“雑談で相手と距離を縮めろ”と習ってきたが、今は“邪魔にならず、そばにいる”ことが必要な時代なのだろう。