日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

行きと帰りで遠いのはどちら

 

<♪ 帰り道は遠かった 来た時よりも遠かった・・・>。昔、流行った歌の歌詞にある一節である。はたしてそうであろうか。疑問を持つのはおもしろい。

フランスの心理学者がパリの街並みを写真に撮り、人に見てもらう実験を行ったという。写真を見る時間はまったく同じなのに、枚数を多く見た場合に時間を長く感じることがわかったそうだ。

初めての道は、あちらこちらを眺めて疲れる。帰りになると見慣れた風景として受け止められ、精神的に短く感じられるのである。

こちらは実践してみて納得した。<急ぎの仕事は忙しいものに頼め>という鉄則である。暇を持て余している者に頼めば、仕事が遅すぎて間に合わない。忙しい人ほど素早い処理をしないと仕事が追い付かないので、仕事が早いのだ。

 

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一石二鳥、三鳥といえば、同時処理のことである。“なにかのついでに”を大事にして、目的とは別のものを発見するように心がける人はすばらしい。効率的な情報収集が可能になり、一石何鳥にもなるからだ。

これからは、さまざまな専門家を集めて、トータルで大きな仕事をするプロデュース能力が高い人間の価値が、ますます高まるのではないか。

たとえば、今までのイメージを超えた役割を担う、個性的な図書館が増えている。そのことにもプロデュース能力が伺われる。全国の約500自治体で、図書館を拠点にした地域振興の取り組みが進行中なのだという。

岩手県紫波町図書館では、農業の専門書やデータベースを充実させて、地元の農家を支援している。併設の農作物・直売所に料理本の紹介パネルが置かれたり、住民と農家の交流会を開いたりするのである。

 

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神奈川県大和市の図書館では、健康関連の書籍や器具を集めた専用階などが人気を集め、一昨秋の開館から1年で300万人の来館者があったという。

図書館機能の他にも、生涯学習センターや芸術文化ホールなどを併せ持った、文化複合施設へとプロデュースされている。

居心地よく、くつろげるスペースが用意され、各階ともテーマに沿った図書館へと企画されているのだ。

効率化を目指し、民間企業などに運営を委ねる自治体も相次ぎ、民間ならではの柔軟な発想やノウハウを活用している。蔦屋書店・海老名市立中央図書館も好調を維持している。

斬新なアイデアの具体化には、やる気のある司書の存在と行政の後押しが不可欠であり、図書館は地域に根ざした公的拠点へと発展していく。