日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

見慣れた風景にある別の一面

 

<丘の上の一本木を買わない>とは、舟大工の言葉である。丘の上にそびえ立つ一本の木は、日光を独り占めして、気の赴くままにむくむく育つ。さぞかし良材になるかと思えば、そうでもないらしい。

たった一本で風に立ち向かう幹は、“風に負けないように”と力を全身に入れるため、「木の癖」が生じるそうだ。そのため材木になると、ねじれや割れの原因になる。

“思い込み”への疑問を感じてみるのはおもしろい。ふつう、いい天気といえば晴天に決っている。それでも、日照りが日常の土地では<いい天気だね>と雨空を仰ぐことがあるはずだ。

<晴れよりも 雨がうれしい 花粉症>。“花粉症川柳”の入選作だという。

ある地方では、立春のあとに初めて(雪を交えずに)雨だけが降る日を“雨一番”と呼ぶらしい。地元の人にとっては、これも待ちかねた“いい天気”の雨になるだろう。

 

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酒の飲み過ぎはいけない。愛煙家も喫煙場所がどんどん追いやられている。それは、からだによくないからなのか? その抑圧によるストレスで、からだがおかしくなることもあるだろう。

笑うことは精神のみならず、身体にもいいらしい。日常生活でほとんど笑わない高齢者は、ほぼ毎日笑う高齢者よりも脳卒中の割合が1.6倍高いようだ。お金もかからず、健康で口をひらいて笑うのは良いことのようだ。

ビルとビルの合間のわずか数十センチの隙間は誰が管理するのか。マスク姿の人が多いこと。狭い路地には名前がないこと。修学旅行で行儀良く集団行動する中高生。駐車場で、観光バスの運転手が乗客を待つ間に、タイヤのホイールを拭く姿。日本人は客が見ていないところでも働くのか。

外国人観光客にとって日本は不思議で、感銘を受けて感激し、写真を撮る。案外、日本人には気が付かない“ふだんの平凡”が、観光資源になり得るかもしれないのだ。

 

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日本人は気が付かなくても、外国人観光客には不満に感じることもあるという。人気飲食店で事前予約を求められたり、無料の公衆無線LAN“Wi―Fi(ワイファイ)”の使える場所が少ないことなどだ。

日常空間を捉えるには、自分たちの視点だけでは限界があるため、違う角度からの新しい視界を提示してくれる他者の目が必要になってくる。

来客のない家は散らかりやすいのと同様、市街地に誰も来なければ荒れてしまう。お客さんが来るとなれば、地域資源を持つ集落同士が協力し合い、街全体のネットワークができる。

主体的に自分たちで何かをやろうとする街は住みよくなり、観光客にとっても楽しい空間に変貌することだろう。外国語に堪能な日本人が少なければ、日本在住の外国人や留学生にお願いすることも一案である。

まずは、自国にある(いい意味での)ガラパゴス的な観光資源に気づくことと、残っている古い物だけに頼らず、生きている文化のパワーを示せたらしめたものである。