日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

気が付かねど聞けばなるほど

 

社員手帳を廃止する企業が少なくないという。

社員手帳の最盛期は平成の初めあたりで、昔から文具業界では“年玉(ねんぎょく)手帳”と呼ばれた。お年玉の時期に、社名入りタオルや暦とともに顧客に配られたことが由来のようだ。ルーツの一つは明治期、大蔵省が官員向けに発行した「懐中日記」とのこと。

終身雇用制のゆらぎやバブルがはじけ、廃止の波が起きた。お仕着せの支給品を嫌う若手がいたり、会社のコストを減らせるから・・だとも。

貸し切りの観光バスを何台も連ねた社員旅行も少なくなったらしい。バスでの最後の社員旅行の際、バスガイドさんがこぼしていた。あの手この手の“日帰りバスツアー”が増えた要因も、それが影響していたのだろうか。

 

1983

 

初めて聞いたとき、何? と思った。「バーチャルウォーター」なる言葉である。バーチャルウォーターとは、食料を輸入している国(消費国)において、もしその輸入食料を生産するとしたら、どの程度の水が必要かを推定したものなのだ。

日本は海外から食料を輸入することにより、その生産に必要な分だけ自国の水を使わないで済んでいる。

仮に1kgのトウモロコシを生産するには、灌漑用水として1,800リットルの水が必要になる。こうした穀物を大量に消費しながら育つのが牛だ。牛肉1kgを生産するには、その約20,000倍もの水が必要になるという。

食料の輸入とは、形を変えて水を輸入していることと考えることができる。そして、日本人は海外の水に依存して生きている。だから、海外での水不足や水質汚濁等の水問題は、日本と無関係ではないということになるのだ。

 

1984

 

ネットへの書き込みはほとんどが横書きである。それでも、身の周りには文学作品と並んで縦書きが優位を保ってきたものもあるはず。

縦書きと横書きは、書く感覚で気になるところがある。横書きの「スニーカー」では5文字のうち3文字が横棒になり、ネット上では字づらが平板になるが、縦書きだと気にならない。

かつての新聞コラムにあった。<作家・丸谷才一さんは国文学者の折口信夫さんに熱中して、関連する本を探し求めた時期がある。書店の扉に「折口学入門」の張り紙を見て夢中で飛び込んだら、「哲学入門」だった>というオチ。

もし、ネット上の新聞サイトで横書きの同記事を読者が読んだとしたら、「折口=哲」と一読してわかるかどうか。“書店の扉の張り紙が縦書きだった”との注釈があったとしても、縦書きの新聞記事みたいにはイメージがわかないはずだ。

<弱いようでも心の意気地、石さえもたげる霜ばしら>。寒くなってきた。寒い地方では「凍上(とうじょう)」という現象があるらしい。

地中の水が土のすき間を通り、地面に出て氷の結晶になる。ときに、地下に霜柱が生じて地面が盛り上がる。そのためにレールが持ち上がったり、建造物が傾いたりする。霜柱の力はすごいのだ。そのことも、つい最近知った。