日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

行動筒抜けの“かくれんぼ”

 

芸能関連のエピソードは楽しい。

『はぐれ刑事』(1975年)というドラマで主演の平幹二朗さんは、休憩時間に犯人役の男性へ話しかけた。それが人生を大きく変えることになる。

「私をあなたの芝居に出してくれませんか」。
男性は「考えておく」と一言。

犯人役のその人こそ、煌びやかな演劇『王女メディア』の演出で世界に名を知らしめる蜷川幸雄さんであった。

男優が(王女へと)女性に扮するという、演劇界を驚かせたアイデアは平さん自身の持ち込みであった。かくして名演出家と名役者のコンビが誕生した。

次は師弟関係のお話である。

落語の五代目春風亭柳朝さんが二つ目の頃、賭け事を楽屋でして師匠から破門を言い渡された。柳朝さんは遺書をしたためた。<駒形橋から隅田川に身を投げて死にます。探さないで下さい>。

師匠の八代目林家正蔵さんがそれを読んで言った。
「馬鹿野郎が。探さないで下さいって、わざわざ死ぬ方法と場所を書くトンチキがどこにいる」。

 

1953


今の時代の遺書なら、場所を明記しなくともスマートフォンをたどり、探し出してもらえるかもしれない。スマホの位置情報サービスで、行動が筒抜けになるらしい。

アンドロイドのスマホでは、グーグルマップアプリを起動して、メニューからタイムラインという項目をタップ。そこのグーグルロケーション履歴に、ユーザーの移動した場所が克明に記録されるようだ。

iPhoneでは、設定→プライバシー→位置情報サービス→システムサービス→利用頻度の高い位置情報。そこへ、(知らぬ間に)自分の行動が子細に記録されているとのこと。

アンドロイドは、ロケーション履歴がオンになっていると、その情報をグーグルが保存する。
iPhoneなど(iOS製品)は「利用頻度の高い位置情報」が利用者の端末だけに記録される。

 

1954


スマホの時代では、個人情報がきわめて複雑で“巨大なデータ”となっている。

不気味な実話だ。あるSNS内・某コミュニティの男性管理人が、女性会員と(今 流行りの)“一線”を超えたとか超えてないとか。それも複数が相手なので話がこじれる。

どうやらオフ会を通じての逢瀬をお楽しみだったらしいのだが、知らぬはご本人ばかりだった。

オフ会に出た(本命以外の)女性会員たちが怪しいと気付く。そして、スマホの位置情報で管理人と(お相手ともくされる)女性会員の行動をチェックしたら、すべてが筒抜けになったという。

管理人のアリバイが崩れて、別のお相手の女性会員が乱入してきたりと、かなりのドタバタ劇が繰り広げられたらしい。その管理人は女性問題以外でも、ネット上のトラブルを抱えていたらしく、人知れずコミュニティを閉鎖する羽目に追い込まれた。

それにしても、他人の位置がどうやって検索できてしまうのか、私にはその機能がサッパリ理解できない。それでも、熱いハートの女性たちは、いとも簡単に位置情報の機能を使いこなしている。あぁ、おそろしや・・・。